読書感想文は「読む前」から書き出せる? 元教員が教える「書ける子に変わる」3ステップ

熱海康太
2025.08.18 15:54 2025.08.19 12:00

勉強をする男の子

夏休みも終盤、読書感想文がまだ手つかずで困っている保護者の方も多いのではないでしょうか。「何を書いたらいいかわからない」「毎年同じような内容になってしまう」そんな悩みを抱えるお子さんも少なくありません。

ところが元公立学校教員で、現在は教育現場で指導にあたる熱海康太さんは、「本を選ぶ前から書き始めることができる」と話します。実は、多くの子どもが読書感想文で苦戦する背景には、従来の書き方に課題があることが分かったと言います。

本記事では、そんな熱海さんが子どもたちが自然に書けるようになる方法をご紹介します。

読書感想文で子どもが挫折する本当の理由

考える小学生

多くの子どもが読書感想文を嫌がるのは、実は当然のことです。従来の書き方では、子どもは完全に「脇役」に回されてしまうからです。「この本を読んで感動しました」「主人公がすごいと思いました」といった書き方では、まるで本の宣伝文のようになってしまい、書いている本人の存在感が全く伝わってきません。

さらに問題なのは、本のあらすじを延々と書かせる指導法です。これでは子どもは単なる「要約係」になってしまい、自分の思考や感情を表現する機会を完全に奪われてしまいます。このような経験を重ねると、読書そのものが「義務的で面白くないもの」として刷り込まれてしまうのです。

発想の大転換:主人公は「本」ではなく「あなた」

後ろ姿の小学生

真の読書体験とは何でしょうか。それは「素晴らしい本に出会った」という受動的な体験ではなく、「この本によって自分が新しい発見をした」「自分の中に眠っていた可能性に気づいた」という能動的な変化なのです。

読書感想文も同じです。本について語るのではなく、本を通して発見した「新しい自分」について語る。これが読書感想文の本質であり、子どもたちが真に成長できる書き方なのです。この視点に立つと、読書感想文は「感想文」ではなく「成長記録」「決意の宣言」に変わります。

子どもが変わる!書けるようになる!3ステップ

第1段階:自分探しからスタート(全体の3分の1)

読書をする小学生

熱海康太

熱海康太

大学卒業後、神奈川県の公立学校で教鞭を取る。 教育実践において厚木市教育委員会から表彰を受けるなど活躍。しかし、勘と根性に任せた指導法に限界を感じ、国立大学付属小学校で多くの教育論や教育実践を学ぶ。 学びを体系化することで、学級や学校は安定し、『先生の先生』を行うことも増えた。その後、教員や保護者、子どもたちのための本を執筆するようになる。 常に先端の教育理論や教育実践を研究している。

X:@jetatsumi