あと1日でも大丈夫! たった1時間で完成する「10円玉×調味料」自由研究
夏休みも残りわずか。自由研究が終わらず焦っているお子さんも多いかもしれません。そこで、準備も簡単、時間もかからず、観察力や考察力もばっちり育つ、夏休みのラストスパートにぴったりのお手軽理科研究をご紹介。科学の面白さを体感できます。
身近なふしぎをテーマにした「10円玉のピカピカ実験」を、Gakken(編集), 尾嶋好美(監修)『中学生の理科 自由研究 お手軽編』から紹介します。
※本稿は、『中学生の理科 自由研究 お手軽編』(Gakken(編集), 尾嶋好美(監修)/Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
10円玉のピカピカ実験
時間 1時間
難易度 ★☆☆☆
研究のきっかけになる事象
古い10円玉は茶色くくすんでいる。この10円玉にタバスコをかけてふきとると、ピカピカにきれいになることが知られている。
*タバスコはアメリカマキルヘニー社の登録商標です。
実験のゴール
タバスコの何が10円玉をきれいにするのか実験で調べてみよう。
用意するもの
・茶色くなった10円玉10〜20枚
・小皿
・綿棒
・ティッシュペーパー
・計量スプーン
・水
・台所用洗剤
・タバスコ
・ラー油
・しょう油
・ソース
・ケチャップ
・食酢
実験の手順 1: 水や洗剤をつけて、10円玉の色を見る
① 水や台所用洗剤をふくませたティッシュペーパーで10円玉をこする。
実験に使う10円玉の余分なよごれをとるとともに、10円玉の色が手あかや油のよごれによるものではないことを確かめておきます。
実験の手順 2: 身近な調味料をつけて試す
① 用意した調味料の数だけ10円玉を並べ、綿棒1本ずつにそれぞれの調味料をつけて、10円玉の半分にぬる。
10円玉の面の半分に液体をつけると、元とのちがいがよくわかるね。
② 5分後にティッシュペーパーで、あまりごしごしこすらないように、そっとふきとる。
調味料によっては、5分では変化がわかりにくい場合もある。
待ち時間を倍にしてようすを見てみよう。
実験の手順 3: 使用した調味料にふくまれているものを調べる
① 実験に使用した調味料の原材料を書き出し、10円玉をきれいにした調味料に共通する原材料を選び出す。
調味料の原材料は、ふくまれている割合の大きい順に容器のラベルに表示されています。食酢の原材料は、米などの穀物や果物ですが、食酢そのものが原材料として、いろいろな調味料に使われています。
同じ種類の調味料でも、製品によって原材料は多少ちがうよ。
★ 酢と食塩に着目すればいいね!
実験の手順 4: 酢と食塩で試す
① 次のような液体をぬり、5分後にティッシュペーパーでそっとふきとる。
*1㎝³=1mL=1cc 小さじ=5mL=5cc=5㎝³ 大さじ=15mL=15cc=15㎝³
色が変わった10円玉は、長く空気にふれると、また色が茶色くくすんでしまうよ。すぐに写真を撮らない場合はセロハンテープなどをはって保存しよう。
実験の注意とポイント
● 10円玉につける材料は、レモンやスイカなどの果物で試すのもいいね。ちなみに道ばたでよく見かけるカタバミの葉をこすりつけても10円玉をきれいにすることができるよ。
● 家庭で使う食酢は「醸造酢」といって、米や小麦、果実などの原材料を発酵させてつくったものなんだ。酢酸などの酸がふくまれているよ。
● しょう油には発酵によってアミノ酸や、乳酸などの酸がふくまれている。
● 実験が終わったら、使用した10円玉は水でよく洗っておこうね。
『中学生の理科 自由研究 お手軽編』(Gakken(編集), 尾嶋好美(監修)/Gakken)
簡単にできて面白いテーマが満載の、自由研究アイディア集の決定版。写真や図解によって、実験方法や結果を丁寧に解説し、レポート実例がついているのでまとめ方がよくわかります。実験結果をまとめるためのレポートフォーマットもダウンロードできます。