なぜ「いい人の仮面」をかぶってしまう?中高生がクラスで“本当の自分“を出せない理由
「周りにいい顔をしてしまう」「デキる自分を演じてしまう」
クラスでつい仮面をかぶってしまい、本当の自分とのギャップに悩む中高生も多いのではないでしょうか。
そもそも、人間は他者からの評価を気にする生き物。「見せかけの自分」を演じることは、必ずしも悪いことではありません。
では、その中で「自分らしさ」も大切にするにはどうすればよいのでしょうか?
『人生がうまくいく コミュニケーション図鑑』から、そのヒントをご紹介します。
※本稿は斉藤徹 (監修)『人生がうまくいく コミュニケーション図鑑: 神様が教えてくれた人間関係のヒント』(Gakken)より一部抜粋・編集したものです。
自分らしさが出せない?
“いい人の仮面““強がりの仮面“
場の空気を悪くしたくない(あるいは、自分が集団から浮きたくない)ので、反対意見があっても言わずにみんなと話を合わせる。相手に嫌われたくないから、多少は無理をしてでも頼まれごとを引き受ける。そんな“いい人の仮面“をかぶっている人は、けっこう多いのではないでしょうか? そういう人は、優しい性格で他者を気づかうことのできる素敵な人だと思います。ただ、そのせいでストレスがたまって、疲れてしまうとしたらよくないですよね。
また、「人に頼られたい」「すごい人だと思われたい」と、“強がりの仮面“をかぶってしまう人もいます。知らないことやわからないことを認められず、デキる自分を演じてしまうのです。積極的にみんなに影響を与えていこうという意欲があるのはいいところ。しかし、自分のプライドを守ることへの意識が強いと、人に頼れずに苦しくなったり、気疲れしたりするので気を付けましょう。
あなたはどちらの仮面をかぶりがち?
いい人の仮面
・いい人と思われたい
・イヤな人と思われたくない
強がりの仮面
・デキる人と思われたい
・ダメな人と思われたくない
私たちは他者にちょっといい自分を見せたいと考えます。これは多くの人が思うこと。その集団において自分をどう認識してほしいかによって、かぶる仮面は変わります。一般にリーダータイプの人は強がりの仮面、優しい人はいい人の仮面をかぶることが多いです。
人はなぜ仮面をかぶる?
生まれたばかりの赤ん坊のころ、私たちは人の目など気にせずに自分らしく生きています。しかし、成長すると“いい人の仮面“や“強がりの仮面“をかぶって、集団の中では本当の自分らしさを隠すようになります。なぜでしょうか?
ハーバード・ビジネススクールのエドモンドソン教授は、集団において人間が自分らしく振る舞えないのは、次の4つの不安があるからだと指摘しました。
・無知な人と評価されることへの不安
・無能な人と評価されることへの不安
・否定的な人と評価されることへの不安
・和を乱す人(邪魔な人)と評価されることへの不安
私たちは他者から評価されている感覚があります。無知・無能と思われたくない人は〝強がりの仮面〟をかぶり、否定的・和を乱すと思われたくない人は“いい人の仮面“をかぶるということです。
仮面を外して本当の自分を出すには勇気が必要です。“いい人の仮面“をかぶっている人は“嫌われる勇気“を、“強がりの仮面“をかぶっている人は、“弱さを見せる勇気“を持つことができれば、仮面は外せるのかもしれませんが、それがなかなか難しいのですよね。
本当の自分と見せかけの自分とのバランスを取ろう
初めての場所に行くときや初めて会う人に対して、素の自分をさらけ出せる人はそうそういません。“いい人の仮面“や“強がりの仮面“をかぶったことがない人はいないでしょう。私たちは他者との関係の中で、「認められたい」「ほめられたい」「いい関係を保ちたい」と考えて振る舞うもの。こうした「見せかけの自分」は社会と良好な関係を築くためにつくられたものです。誰かの期待に応えたいと頑張ることで、自分の人間的な成長につながることも多くあります。
ただ、できることなら本当の自分を出していきたいですよね。
いきなりすべての仮面を外すのは難しいでしょう。でも、少しずつなら外せる勇気を持てるのではないでしょうか。少しだけ「素の自分」を出す。そして「それでいいんだ」と自信を持つ。大切なのは自分と対話をしながら、本当の自分と見せかけの自分とのバランスを取ること。他者に気づかいつつも、振り回されることなく、自分自身の気持ちや考え方も大事にしていきましょう。
まとめ
● 誰もが“いい人の仮面““強がりの仮面“をかぶる。
● 「本当の自分」と「見せかけの自分」のバランスを取ろう。
斉藤徹 (監修)『人生がうまくいく コミュニケーション図鑑: 神様が教えてくれた人間関係のヒント』(Gakken)
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