「ただの紙なのになぜ物が買えるの?」 『ごんぎつね』で子どもに伝えるお金の価値の正体

柳田理科雄(著),みずほフィナンシャルグループ(解説・監修),株式会社博報堂・博報堂ケトル(協力)
2025.09.02 22:58 2025.09.03 12:00

空想金融教育

子どもからの純粋な質問として「お金はどこから生まれるの?」と聞かれたときに、正しく答えられる自信がない親も多いのではないでしょうか。「銀行が作っている」と答えても、「ただの紙なのになんで物が買えるの?」と追加質問が来るかもしれません。

そんな親子の悩みに一つのヒントを与えてくれるのが、みずほフィナンシャルグループと空想科学研究所による『昔話でおカネの基本がわかる!空想金融教室』です。なかでも『ごんぎつね』を題材にした章では、ごんと兵十の信頼関係の欠如から「信用」の重要性を説き、お金の価値や銀行の信用創造まで解説しています。

「1万円札がなぜ1万円の価値を持つのか」「銀行はどうやってお金を生み出すのか」といった根本的な疑問を、悲しい物語を通じて自然に理解できる構成。複雑な金融システムの土台となる「信用」という概念を、親子で話し合いながら学べる貴重な教材になっています。

家庭での金融教育の出発点として、お金の正体を知ることから始めたい親にとって、具体的な会話のきっかけを提供してくれるでしょう。今回は、この教育手法の実例をご紹介します。

※本記事は、『昔話でおカネの基本がわかる!空想金融教室』(小学館)より一部を抜粋、編集したものです。

ごんには「大切なもの」が決定的に欠けていた!

空想金融教育

柳田理科雄

空想科学研究所主任研究員。東京大学理科Ⅰ類中退。学習塾講師を経て、1996年『空想科学読本』を刊行。『ジュニア空想科学読本』シリーズなど著書の発行部数は880万部。

空想金融教室

『昔話でおカネの基本がわかる!空想金融教室』(小学館刊/柳田理科雄(著)・みずほフィナンシャルグループ(解説・監修)・株式会社博報堂・博報堂ケトル(協力))

金融経済教育の一環として、みずほと空想科学研究所がタッグを組んで、2024年4月に立ち上げた「空想金融教室プロジェクト」。そこで公開してきたエピソードに、新たに書き下ろしたイラストやコラム・用語解説などを加えて書籍化。「お金」について、親しみにくい投資の話から、難しく感じる金融や保険の話まで、有名な昔話を用いながら解説する一冊。