思春期に「甘える子」と「親を避ける子」の違い カンガルーが教える子育ての秘訣とは?(思春期の子との接し方は、やさしい動物たちが教えてくれる 第4回)

一般社団法人Raise,宮本さおり

中高生になると体は大きくなりますが、心の面では「すっかり大人」ということでもありません。反抗的な態度をとったり、わがままに思えるようなことをするのも思春期の特徴です。思春期の子どもとの向き合い方について、『けなげに生きぬくいきもの図鑑』(実教出版)の著者で元高校教師、生き物に学ぶナビゲーターの岡幸子さんに伺います。

(連載「思春期の子との接し方は、やさしい動物たちが教えてくれる」第4回、聞き手・構成/一般社団法人Raise・宮本さおり)

人間以上に子に応じた子育てをするカンガルー

哺乳類の中で、人間ほど難産な動物はいません。人間は直立二足歩行を手に入れたことで骨盤の形が変わりました。その上、脳が発達して頭が大きくなりました。骨盤で制限される産道を通れるギリギリまで頭を大きくするので、難産になってしまったのです。

難産なのに、類人猿の中では一番未熟児で生まれてきます。苦しい思いをして生んでも人間の赤ちゃんはすぐに歩くことができません。それどころか、お乳だって親が口元まで差し出さなければ飲むことができません。

そして、たとえ歩けるようになっても、それから成人するまでには10年以上を要します。その間に思春期もやってきます。