「いい子すぎる」わが子が心配…聞き分けのよさに隠れた本音とは?

伊藤美佳、まなえ(伊藤愛恵)

「文句を言わない、自己主張しない」「しっかりしすぎている」といった子どもは、一見するといい子に見えがちです。けれども、その裏では自分の気持ちを言葉にできなかったり、文句やわがままを我慢していたりするのかもしれません。そんな子どもたちの心の中とは?

親としてどう接すればよいのか、40年以上の幼児教育経験を持つ母と、モンテッソーリ教育で育ち現在子育て中の娘の共著『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』から紹介します。

※本稿は、伊藤美佳、まなえ(伊藤愛恵)著『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』(Gakken)を一部抜粋・編集したものです。

文句を言わない、自己主張しない

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【こんなときどうする?】
あまりやんちゃなことをせず、わがままも言わず、文句も言いません。素直でいい子なのですが、何か希望を聞いても「なんでもいい」と主張もしません。これから大きくなるにつれて、自分の意見を言わない子になるのではないかと、とても心配です。

自分の気持ちを言葉にできないのかも

そもそも、子どもは自分の気持ちを言葉にすることが苦手です。ですから小さいころに、ママやパパが子どもの内面を言葉にして表面化してあげるお手伝いが必要です。「○○をしたくて、くやしかったんだね」「本当はガマンしてたんだね」などというように、たくさんインプットすることで初めて、自分で言えるようになります。

そのうえで主張しないお子さんには、わがままを言っても文句を言っても安心して聞いてもらえる環境をつくってあげることが重要。休みの日だけでもいいので、怒ったり否定したりすることなく、お子さんの言うことを聞いてあげる時間を持ちましょう。

本当はとてもとても傷ついています…

【こんなときに起こりがち!】
●親が忙しいとき
●親が厳しいとき
●弟や妹が手がかかる年齢のとき
●ほかの友だちがたくさんいる場

【こうしてみよう!】
子どもの文句にも聞き耳を持とう!

【ミカ先生のワンポイント!】
子どもが話すことに共感しつつ、明るくやさしいリアクションをしてあげましょう。

「しっかりしている」とほめられがち

【こんなときどうする?】
お願いすれば、家事のお手伝いもしてくれる。ご近所からは「挨拶もハキハキしてくれて、いいお子さんですね」とほめられるし、保育園の先生からも「しっかり者」と頼られているみたい。だけど、最近「いい子症候群」という言葉を聞いてちょっと不安に……。

いい子でいないと愛されないと思っているかも

【こんなときに起こりがち!】
●ご近所など誰かが見ているとき
●保育園や幼稚園にいるとき
●親が忙しいとき
●弟や妹が手がかかる年齢のとき

【こうしてみよう!】
たまには悪い子にさせてみよう!

【ミカ先生のワンポイント!】
このタイプのお子さんには、「ちゃんと」「しっかり」「早く」はNGワードです!

伊藤美佳、まなえ(伊藤愛恵)著『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』(Gakken)

モンテッソーリ教育にハーバード大学の理論を取り入れたオリジナルメソッドで、子どもの心の中が見えてくる。ママ・パパが「なぜこんなことするの?」「いたずらばかり…」と子どもの行動にイライラしてしまう本当の理由を、過去にさかのぼって解き明かす一冊。