子どもに広がる「鉄不足」が心配な理由 親が見逃しやすい「隠れ貧血のサイン」とは?

柳澤綾子

成長期の子どものちょっとした行動や、違和感に貧血が隠れているかもしれません。『身体を壊す健康法』の著者・医師の柳澤綾子さんによると、飽食の時代だからこその鉄分不足があるそうです。東大医学部研究員でもある柳澤さんに「子どもの貧血」についてお話を伺いました。

(聞き手・構成/一般社団法人Raise・宮本さおり、文・伊東綾子)※写真はすべてイメージです

貧血のサインと症状

今、日本だけでなく世界的に子どもの鉄不足が問題となっています。これは恐らく、鉄を摂りやすい食事を家で食べなくなったからだと思います。子どもは採血の機会が少ないため、貧血が発見されにくく、いわゆる「隠れ貧血」が多いとも言われます。

貧血の症状は基本的に大人と同じですが、子どもの貧血の特徴として、氷をガリガリとかじるとか、ラムネ菓子を好んでかじるといった行動がみられることがあります。原因ははっきり分かっていませんが、これは「氷食症」と病名が付くほど世界各地で報告されています。

そのほかの症状としては、