「医者になりたい」は本当に子どもの夢? 17年ゼミが教える思春期の子離れのタイミング

一般社団法人Raise,宮本さおり
2025.10.16 21:00 2025.10.16 21:00

受験の面接面談を受ける親子

子どもの進路選択は、親にとっても大きな関心事です。しかし、親の思いと本人の本音がずれていることも少なくありません。土の中で長い時間を過ごし、ある日羽化する17年ゼミのように、子どもにも自ら羽ばたく時期があります。元都立高校教員で、『けなげに生き抜くいきもの図鑑』の著者、岡幸子先生に、その大切な瞬間について伺いました。

(連載「思春期の子との接し方は、やさしい動物たちが教えてくれる」第5回、聞き手・構成/一般社団法人Raise・宮本さおり)

娘の進路に悩む親子

教室で勉強する高校生

都立の進学校で高校3年生の担任を持っていたときのことです。三者面談で「うちの娘は医者を目指しているので応援しているんです」と告げてくる親御さんがいました。

ただ、親としては娘の夢を応援したいけれども、サラリーマンでさほど裕福ではないため、医学部にいくなら国立でお願いしたいということでした。本人も同席する三者面談の席ですから、本人にも「そうなの?」とたずねると、「はい……」と、少し煮え切らない返事。気になって、後日あらためてその生徒と話してみると、意外な本音がでてきました。

岡幸子

「思春期子育てコーチ」『けなげに生きぬくいきもの図鑑』(実教出版)著者。元高校生物教師。36年間で9,000人以上の生徒と保護者に関わってきた。NHK教育テレビ「高校講座生物」の講師を25年間務め、教科書も執筆。現在は、子育てコーチとして不登校・親子関係の悩みなどに寄りそう活動を続けるほか、生き物に学ぶ講演活動をしている。お茶の水女子大学理学部生物学科卒業。