推しは意外と近くにいる? すべての人とつながる「6次の隔たり」の仮説

渡邉究
2025.11.05 10:38 2025.11.12 11:50

数の図鑑

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別世界の住人のように思える「推し」も、知り合いの知り合いをたどれば、意外と身近なところでつながっているかもしれません。

子どもから大人まで楽しめる数の雑学を、『すごすぎる数の図鑑』よりご紹介します。

※本記事は渡邉究著『すごすぎる数の図鑑』(KADOKAWA)より一部抜粋、編集したものです。

「6次の隔たり」で推しともつながれる! ?

世界中のどんな人でも、知り合いをたどれば、6人以内でつながることができるという仮説を「6次の隔たり」といいます。

たとえば、あなたの友達の友達の……と続けていくと、6回以内で世界中の誰とでもつながることができるということです。

この仮説は、1967年にアメリカの心理学者スタンレー・ミルグラムが行った「スモールワールド実験」で検証されました。

彼は、アメリカのある地域に住む住民に手紙を渡し、直接知らない相手に届けるために、知り合いを通じて手紙を送るよう依頼しました。

結果として、平均して5人を介して手紙が目的の人に届いたのです。

この「6次の隔たり」は、SNSが普及した現代では、さらに距離が縮まっていると考えられています。

たとえば、あるSNSの調査では、平均して4人を介せばそのSNSのどんなユーザーともつながることができると報告されています。

もしかしたらあなたの友達をたどると、どこかで「推し」とつながるかもしれません。

いつか「推し」ともつながれる?

「6次の隔たり」を計算を用いて考えてみましょう。

数の図鑑

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渡邉究

中央大学理工学部数学科 准教授。専門は代数幾何学。1984年、横浜市生まれ。2010年、早稲田大学大学院基幹理工学研究科博士課程(数学応用数理専攻)修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員として早稲田大学および東京大学で研究に従事した後、埼玉大学理工学研究科助教を経て、2020年より現職。2018年度日本数学会賞建部賢弘賞特別賞を受賞。大学では代数学に関する講義を担当する一方、XやYouTubeなどのSNSを通じて、大学数学や研究生活を積極的に発信。数学の魅力を広く伝えることを目指している。

数字がわかれば世界がわかる! すごすぎる数の図鑑

渡邉究著『すごすぎる数の図鑑』(KADOKAWA)

小学生から楽しめて、算数が好きになる!身近なところから始まる数の世界

『すごすぎる図鑑シリーズ』今回のテーマは、数。
小学生から楽しめて、算数が好きになる!身近なところから始まる数の世界!

「比を使いこなせばいつでもドレッシングを作れる!?」
「スマホゲームのガチャの確率」
といった身近な話題から広がる数の話が盛りだくさん。
順を追った展開とシリーズの特徴である図をふんだんに盛り込んだ構成で算数を学習中の小学生でもしっかり理解できる内容になっています。

「世界中のどんな人でも知り合いをたどれば6人以内でつながれる!?」
「L字型に曲がった幅1mの廊下を通れる最大のソファーの形や大きさは?」など、数学を学習したことがある大人も知らないネタが満載。
子どもから大人まで楽しみながら数の不思議を体感することができます。