字が読めなかった少女が偏差値69の高校へ 心のささえは父の言葉「お前は頭がいいはずだ」

谷原由美
2025.11.06 17:53 2025.11.25 20:00

勉強する女の子

小学6年生まで、まともに文字が読めなかったという谷原由美さん。
先生から露骨にバカにされ、悔しい思いを重ねる日々の中で、谷原さんの心を支えていたのは、親からかけられた一つの「暗示の言葉」でした。

ご自身の体験を、著書から抜粋して紹介します。

※本稿は、谷原由美著『子どもの心に自信のタネをまく方法』(青春出版)より一部抜粋、編集したものです。

「勉強ができない私」を変えた言葉の力

教科書を読む女の子

私は、子どもの頃、おそらく「識字障害」だったのだと思います。今でこそそうした言葉がありますが、当時はそんな概念は知られておらず、ただ「頭の悪い子」と見なされていたように思います。

文字がなかなか読めず、指でなぞりながらひとつひとつ音読しても、結局全体の意味がつかめない。漢字は、何度書いてもまったく覚えられない。そんな子どもでした。

両親は、なぜ自分の子がこんなにも勉強ができないのか、理解できなかったはずです。実際に成績はひどく、小学3年生のときには担任の先生が家に来て、こう言いました。

「お母さん、本気で娘さんの将来を考えていますか? このままでは本当に危ないですよ」

そんな私に、父はいつも同じ言葉をかけてくれました。

「お前は頭がいいはずだ。やればできるようになる」

私は、その言葉を、ただまっすぐに信じていました。

「私は頭がいい。やればできるようになる」―それが、私の記憶にある最初の「親からの暗示」です。

どれだけ私がこの言葉を大切にしていたか、想像できるでしょうか。

学校でうまくいかないたびに、私はこの言葉を心の中で何度も繰り返しました。

昭和時代の学校は、今よりずっと厳しかったので、先生たちはできない子には露骨に冷たく当たることもありました。

みんなの前でバカにされたり、点数の悪いテストを「こんなひどい点を取る人がいます」と黒板に貼られたりすることもありました。

どれだけ恥ずかしかったでしょう。

それでも私は、いつも思い出していました。

「私は頭がいい。やればできるようになる」

その言葉は、次第に私の中で本当の力となっていきました。

まともに文字が読めるようになったのは、小学6年生になってからでした。

それでも、私はあきらめませんでした。そしてその後、偏差値69の高校に合格することができたのです。

小学生時代の私を知る人たちは皆、驚きました。何しろ、クラスで一番成績が悪かった私が、そこまで変わったのですから。

空を見る中学生
そして、この体験は私の子どもたちにも受け継がれました。

高校2年生のときに偏差値42だった長男は、最終的に東京大学大学院に進みました。同じく偏差値42だった娘も、都内の有名私大に合格しています。

私は、彼らにもかつて父が私にしてくれたように、ただこう伝え続けてきました。

「あなたはいつか素晴らしい人になるよ。きっとそのうち、ものすごくできるようになるよ」

勉強しなさい、とは言いませんでした。ただ、可能性を信じて言葉をかけ続けたのです。

この「言葉の力」こそが、勉強しろと言うよりも、はるかに強い影響を与えるのだということを、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います。

谷原由美

一般社団法人意識研ヒプノセラピー協会代表理事。ABH米国催眠療法協会公式ヒプノ・トレーナー。のべ1万人の幼少期のトラウマを癒やしてきた中で見つけた子育てメソッドは、不登校改善、才能開花などの劇的な効果をあげている。TIKTOKたにゆー子育てコーチのアカウントが3ヶ月でフォロワー1万人超えの人気。

子どもの心に自信のタネをまく方法

谷原由美著『子どもの心に自信のタネをまく方法』(青春出版)

10歳までで決まる!子どもの隠れた才能を引き出す親のたった1つの習慣とは?TikTok330万回再生の人気子育てコーチたにゆーが教える、潜在意識を味方につけて子どものやる気と才能を伸ばす子育て。