子どもの本は全部買わなくてOK 読書好きを育てる図書館利用「3つのメリット」

堀田秀吾
2025.12.24 10:50 2026.01.06 11:50

図書館で本を選ぶ女の子

意外と難しい子どもの本選び。「これは好きそう!」と期待して買った本が、思ったほど読まれず、本棚に並んだままになることも少なくありません。

そんなときに心強い味方になるのが、実は図書館です。
買わなくても、気軽に試せて、思いがけない一冊と出会える…そんな図書館のメリットを、『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』より抜粋してご紹介します。

※本稿は、堀田秀吾 (著)『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。

図書館で借りるより、本屋で買うべき?

図書館はメリットがいっぱい! 積極的に使おう

子どものアンテナに引っかかりそうな本をなんでも買っていくと、大きな出費になります。どの家庭でも真似できることではありません。その場合は図書館を活用することになりますが、図書館の本は返却しないといけないので、家の本棚に常備することができません。この点を懸念される親御さんも多いと思います。

心配は無用です。図書館で本を借りることは、購入することと同じくらい、場合によってはそれ以上に価値のあることです。

本との多様な出合いが期待できる

図書館で読書する男の子

図書館で本を借りることで得られる最大のメリットは豊富な選択肢に触れられることです。図書館には年齢や興味、レベルに応じたさまざまなジャンルの本が揃ってい4ますし、書店と違って気軽に立ち読みができます。結果的に一度に複数の本を手に取ることができ、自分に合った本を見つけられる可能性が広がります。

アメリカ図書館協会は多様な文化や視点を持つ本へのアクセスが、子どもの発達と幸福感を高めると報告しています。アメリカのシンクタンク・ピュー研究所の調査では、親の94%が図書館を子どもにとって重要な場所と考えており、その理由として図書館が読書への愛着や情報へのアクセスを提供してくれる点を挙げています。

社会的スキルを身につけられる

さらに図書館で本を借りる行為そのものが、子どもにとって学びの機会となります。

図書館では探し方を工夫したり、他の人と本を共有するルールを守ったりする必要があります。子どもは計画的に本を選び、責任を持って返却するという行動を通じて社会的なスキルを身につけることができます。これは単に本を読むだけでは得られない教育的価値と言えます。

また図書館の本には返却期限があるため、「2週間でこの本を読む」といった短期的な目標を立てることにもつながります。それは子どもにとって本を読むモチベーションになり、なおかつ、計画性を身につける練習にもなるでしょう。

読みたい本だけ読める

図書館

その一方で、図書館の本は無料であるがゆえ「無理をしてまで読まなくてもいい」という逆の選択肢があることも実はメリットです。本屋で親御さんと一緒に選んだ本だと「いつになったら読むんだ、この子は」という親御さんの無言のプレッシャーを感じるかもしれません。しかし、図書館の本ならそこまでではないでしょう。

私たち大人がサブスクの動画配信サービスで映画やドラマを観るとき、開始早々「なんか違う」と思ったらすぐにやめて他の作品を観るはずです。するといつかは自分が求めていた作品と出合えるわけです。図書館の本もそのような使い方ができます。

とりあえずたくさん借りてきて、途中で面白くないと感じた本は読むのをやめ、別の本を読む。読書とは自発的な行為なので、一度手に取った本は最後まで読まないといけないルールなどはありません。自分の好みに応じた自由な読書。自分にとって楽しい読書。こういう体験をどんどんさせてあげましょう。

ちなみに図書館の積極的利用には思わぬ副次的効果もあるようです。ジョージア州立大学のバートの研究によると、公共図書館を利用すると毎日の読書時間が約27分増加し、子どもが宿題を終わらせる割合も上がるということが報告されています。

こんなにも利点に満ちた図書館利用。「毎週何曜日は図書館に行く」のように、図書館に行くルーティンを生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?

【POINT!】自分に合う運命の本と巡り合える確率が高いのが図書館

堀田秀吾

堀田秀吾

言語学博士。言語学、法学、社会心理学、脳科学等の分野から言葉とコミュニケーションをテーマに研究を展開。『人間関係の99%はことばで変わる!』『科学的に元気になる方法集めました』等著書多数。

X:@syugo_h

いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方

堀田秀吾 (著)『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(Gakken)

「読書すると学歴が高くなるってホント?」
「本好きの子にするためにすべきことは?」
「親が読書家だと、子どもも本好きになる?」
「電子と紙の本、効果は同じ?」
「読書をしている子はグレにくい?」
――ハーバード大、MITなどの最先端研究から、子どもにとって「最高の読書法」がわかる!

「子どもに読書習慣をつけさせたい」親は多い。
しかし、小学生の読書量は30年前(親世代)と比べ3分の1に減少。高校生にいたっては2人に1人が「読書ゼロ」の状況だ(学研教育総研調べ)。
誰もが「読書はよいもの」とうっすら感じているが、じっさいのところ読書はメリットだらけ。
最新研究でも、読書の効果は、「語彙」や「学力」だけでなく、「創造力」「共感力」「メンタルヘルス」にも影響することがわかってきた。
本書では、年間数千本の論文を読む「科学論文オタク」の言語学者が、「いまの科学でいちばん正しい、最高の読書法」を教える。