ライトノベルは内容が薄い?「子どもにとって、ラノベも立派な読書」と専門家が語る理由

堀田秀吾

子どもにとってとっつきやすいライトノベル。「絵とセリフが多くて内容が薄いのでは?」「もっとちゃんとした本を読んでほしい」と、不安になる親御さんもいるのではないでしょうか。

しかし実は、ライトノベルは子どもの読書の入り口として「最高」だと、堀田秀吾さんは解説します。堀田さんの著書より、親が知らない「ラノベ」のメリットをご紹介します。

※本稿は、堀田秀吾 (著)『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。

中身の薄い「ラノベ」ばかり読んでいます

「ライト=無価値」ではありません

最近、若い人たちに人気のライトノベル。通称「ラノベ」。その特徴は中高生読者のために平易な文章と豊富なイラストが組み合わさっていること。そして会話文の割合が多いため子どもでも抵抗感なく楽しめる点です。ストーリーのテンポも良く、自然と「次が気になる!」という気持ちを引き出します。

「せっかく本を読む習慣があるのだから、そんな中身の薄い本ではなくちゃんとした小説を読んでほしい」と歯がゆい思いをしている親御さんもいらっしゃるでしょう。

いままでの流れでご想像がつくかと思いますが、ラノベも立派な読書です。私が親なら「本当に本が好きだよね。いいことだ」と褒めます。

ラノベも作品によっては文章力が非常に高く、ストーリーも奥深いものがたくさんあります。「ライト」とあるので純文学やノンフィクションと比較して「軽いもの」と思われがちですが、決して「無価値」ではありません。文芸評論家の篠田一士の表現を借りれば、「軽薄な小説」ではなく「軽快に読める小説」。それがラノベです。子どもたちにとっては十分に読書の魅力を感じられる内容が詰まっています。

読書の入り口として最高!

その読みやすさと面白さゆえ、ラノベは多くの子どもたちにとって読書の入り口となっています。特に中学生世代にとってラノベの親しみやすさは読書習慣を身につけるうえで強い味方になります。

南カリフォルニア大学のクラッシェンは、読みやすいテキストに取り組むことが読者の自信と関心を高め、進んで読書を続けるための動機付けとなり、その結果より難しい材料に挑戦できるようになると述べています。

本にまったく興味を示さない子どもも少なくないなか、お子さんがラノベにハマっていることは狂喜乱舞していいことではないでしょうか。

感受性や想像力が育まれる

ラノベを読むことで得られる効果は多岐にわたります。

トロント大学のマーらが200人以上を対象に行った研究によると、フィクションの読書は他者に共感したり、他者の心を類推し理解する能力(心の理論)を高めることがわかりました。またノンフィクションを多く読む人は孤独感とストレスを感じるレベルが高い一方で、フィクションを読む人は話し相手が多いという結果が出たのです。読書でコミュ力が上がるなら、こんなに嬉しいことはありません。

【POINT!】ラノベは読書の世界への最高の入り口。どんどん読んでもらおう!

いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方

堀田秀吾 (著)『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(Gakken)

「読書すると学歴が高くなるってホント?」
「本好きの子にするためにすべきことは?」
「親が読書家だと、子どもも本好きになる?」
「電子と紙の本、効果は同じ?」
「読書をしている子はグレにくい?」
――ハーバード大、MITなどの最先端研究から、子どもにとって「最高の読書法」がわかる!

「子どもに読書習慣をつけさせたい」親は多い。
しかし、小学生の読書量は30年前(親世代)と比べ3分の1に減少。高校生にいたっては2人に1人が「読書ゼロ」の状況だ(学研教育総研調べ)。
誰もが「読書はよいもの」とうっすら感じているが、じっさいのところ読書はメリットだらけ。
最新研究でも、読書の効果は、「語彙」や「学力」だけでなく、「創造力」「共感力」「メンタルヘルス」にも影響することがわかってきた。
本書では、年間数千本の論文を読む「科学論文オタク」の言語学者が、「いまの科学でいちばん正しい、最高の読書法」を教える。