自閉症児の“単語”をシャボン玉で引き出す! 「キラキラ」「ふわふわ」でことばの理解を育てるには?
「喃語ばかりで単語が出ない…」と悩む自閉症児の親御さんは少なくありません。発達科学コミュニケーションマスタートレーナーの今川ホルンさんは、子どもが興味を持つ「キラキラ」「ふわふわ」のシャボン玉を使って、“共同注意”を伸ばすことが、“単語”につながるといいます。
あそびながらことばの理解を引き出す具体的な工夫を、自身も自閉症児の母である今川ホルンさんの著書より抜粋してご紹介します。
※本稿は、『ことばが遅い自閉症児のおうち療育実践編 脳を育てるあそび 77』(今川ホルン(著), 吉野加容子(監修)/パステル出版)から一部抜粋・編集したものです。
一緒に見る力を引き出す
自閉症の子どもは「共同注意(同じものを一緒に見る力)」が苦手なため、ことばを理解する機会が少なめです。たとえば、蝶を見てママが「ちょうちょだね」と言っても、子どもが蝶を見ていなければ、「これがちょうちょなんだ」と理解し、覚えることはできません。同じものを見る力「共同注意」を伸ばして、単語につなげましょう!
「キラキラ」「ふわふわ」で共同注意を促す
シャボン玉のキラキラ、ふわふわは、視覚的にも自閉症のお子さんが好むことが多いです。また、吹くと出てくるという、わかりやすさもあります。
ママやパパがシャボン玉を吹いて、「シャボン玉だね」「とんでるね!」「われたね~」「3つだね」「いっぱいだね!」と、見たままをことばにしてみましょう。お風呂でやる理由は、外よりも背景の情報が少ないので、子どもがシャボン玉に目を向けやすくなるからです。
いまは、シャボン玉スティック、ピストル型のシャボン玉、電池式のシャボン玉マシン、大きなシャボン玉をつくるスティックなどバリエーションも豊富ですので、親も一緒に楽しみながらやってみてください。
「実況中継」がことばの理解を育てる
子どもが「いま見ているもの」を見て、声かけしましょう。
「見て見て! 犬がいるよ」などと、親が教えたいものを見せようとしても、興味がなければ子どもは見てくれません。また、見たとしても興味がないと脳で情報処理されにくいので、ことばの土台に繋がりません。
子どもが見ているものに親が注意を向け、その様子を、「とんだね」「われたね」と実況中継していきましょう。名詞=シャボン玉、動詞=とぶ、われる、数詞=3、形容詞=大きい、キラキラなど、たくさんのことばの経験につながります。
応用アイデア
ミニカーのタイヤ、標識、エレベーターのボタンなど、子どもの好きなものや、いま見ているもので共同注意につなげたいので、よくお子さんを観察してください。
誕生日プレゼントよりも包み紙を見ている、ママの顔は見ずにピアスやパーカーの紐ばかり見ているなど、親にとっては「そこ!?」とツッコミを入れたくなるものも多いですが、共同注意が育てば、親の見てほしいものも見てくれるようになります。
成長のきろく
娘はボディソープでつくったシャボン玉が大好き! 私が「パチン」とわれた音を言っていたら「パチン」「やって」などのことばが出るように。肯定的な声かけをすると、おしまいの指示も聞けるようになり、今では自分からおしまいにできています。(7歳 あいちゃんのママ・発達科学コミュニケーションリサーチャー 月山おとさん)
『ことばが遅い自閉症児のおうち療育実践編 脳を育てるあそび 77』(今川ホルン(著), 吉野加容子(監修)/パステル出版)
脳が育てば、ことばは伸びる!
「うちの子、いつになったら話せるようになるんだろう…」
そんな不安を抱えるママやパパへ。
本書は、『ことばが遅い自閉症児のおうち療育』の実践編。
実際に親子であそんで「ことばが伸びた!」と効果のあったものだけを集めた、あそびで自閉症児のことばを育てる新しいおうち療育の教科書です。
