今でも6割以上の学校が参加! 問われるベルマーク活動の意義

藤平公平
2026.03.02 11:39 2026.03.02 11:40

ベルマーク集め

小学校の時に、ベルマークを集めて学校に持って行った記憶がある方は多いのではないでしょうか。令和になった今でも、学校によってはベルマーク活動が続けられています。そもそもベルマークとはどのような仕組みなのか? 公立小学校教員の喜舎場先生にお話を伺いつつ、詳しく見ていきましょう。

「1点=1円」で備品購入できる上に寄付にも繋がる

廊下を歩く小学生の集団

ベルマークとは「ベルマーク教育助成財団」の活動に協賛している企業が、自社製品につけている鐘のマークのこと。切り取ったマークを参加登録しているPTAなどが集計して財団へ送ると、「1点=1円」に換算されてベルマーク預金を積み立てることができます。

貯めた預金で、自分たちの学校に必要な設備や教材を協力会社から購入できるという仕組み。さらに購入金額の10%は財団に寄付され、僻地の学校や特別支援学校、災害で被災した学校などへの支援に活用されます。

喜舎場先生「保護者の中には、小学生時代に『ベルマークのポイントでサッカーボールを購入しました!』などのように、“ベルマークで学校の備品や設備が増えた”というシーンを覚えている方もいるのではないでしょうか。学校側としては、新しく必要な物品や古くなって交換が必要な設備などを、ベルマークで購入できるのはありがたいことではあります。

しかし、近年教員の働き方改革が叫ばれているように、時間や働き方に余裕のない教員が多いのが現状です。そのため、ベルマークの集計に関してはPTAをはじめとする保護者の方に依存してしまっている学校が多いかと思います。」

地道な作業を要する集計作業

 図画工作をする小学生

ベルマーク集めに参加しているのは、全国の小学校の7割以上、中学校の6割以上を含む約26000団体にも及びます。学校で集める場合、PTAが回収・仕分け・発送作業を担っていることが多いのですが、ベルマークの分類・集計には細々とした手作業が必要。担当の保護者に負担がかかることでも知られています。

何が大変かというと、集めたベルマークを発行企業ごとに分けて合計点数を計算しなければいけないこと。ベルマークには協賛会社ごとに番号がついているので、まずはその番号別に仕分けます。さらに点数ごとに分け、何点のマークが何枚で計何点になるかを集計。会社別の「ベルマーク整理袋」に集まった点数の明細を記載しなくてはなりません。

喜舎場先生「集計の方法やタイミングは学校により異なりますが、『平日に集計作業があるから、有休を使って参加せざるを得ない』といった状況になっている学校があるという話も聞きます。また学校によっては、委員会活動の一環として『ベルマーク委員』などを設置し、子どもたちで切り取り、仕分けをするなどの工夫をしているところもあるようです。子どもたちの教育活動や保護者の方の貴重な時間を無駄にしてしまわないように、より効率的な仕組みを考えていく必要があると思います。」

活動廃止が相次ぐ一方で新たな取り組みも

集計のためのアナログな活動ぶりに、保護者からは「あまりにもコスパが悪すぎる」「労力がかかるわりに数万円にしかならないなら、保護者から寄付を募った方がいいのでは?」という声があがることも多いよう。近年はPTAの業務効率化・活動縮小に伴い、ベルマーク活動を廃止する団体も増えているのが現状です。

一方で「作業しながら雑談できるし、コミュニケーションの場としてすごく重宝してる」という声も。また社会貢献の勉強の一環として、生徒主体でベルマーク活動が再燃している学校もあるそうです。

財団側もデジタル化などを検討し、2013年にウェブベルマークがスタート。ウェブベルマークのサイトに寄ってからインターネットで買い物をすると、購入金額の一部がお店から学校のベルマーク口座に自動的にポイント加算される仕組みです。また、パソコンをリサイクルするだけで50点となる新しいベルマーク活動の形も登場。今後の慈善事業のあり方について、効率化と改善のアイデアが問われています。

喜舎場先生「様々な課題はありますが、ベルマークの活動自体は善意によって支えられているものです。また、デジタル化による改善も素晴らしい取り組みだと思います。ベルマークだけでなく、学校運営に関わるものごとは、古いままの制度や習慣が残っているケースが多い印象があります。少しずつ、今の世の中にマッチした形に変化していければいいですね。もちろんその上で『やはり必要ない』という判断があってもいいかと思います。各学校の実態に応じて、このような取り組みの是非はゼロベースで考えていくべき時代かもしれません。」

喜舎場光紀

沖縄県の公立小学校教員。MIEE(Microsoft認定教育イノベーター)。Google認定教育者。オンラインサロン『定時退勤がちサロン』を運営し、学校での働き方改革を推進すべく活動中。音声配信サービス『voicy』や、各種SNSにて教員の働き方、教育についての情報を発信している。

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