雲は地震の前兆にならない 災害デマの誤情報・フェイク動画を広げないための基本

荒木健太郎

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災害のあとには、不安をあおるうわさや根拠のない情報――いわゆる「災害デマ」が広がりがちです。「地震雲」や日時を特定した地震予知、陰謀論、フェイク動画など、科学的根拠のない情報に振り回されると、冷静な判断ができなくなります。

大切なのは、親が落ち着いて情報を見極めること。そして「その情報はどこから来たのかな?」と、子どもと一緒に考える姿勢です。

雲研究者であり気象のスペシャリストである荒木健太郎さんが、デマの特徴と見分け方、養うべき正しい情報に基づいて行動する力を解説します。

※本記事は荒木健太郎著『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』(KADOKAWA)より一部抜粋、編集したものです。

「災害デマ」に振り回されないための知識

災害後には、間違ったことで不安をあおる話や、いいかげんなうわさ話の災害デマが流れがちです。典型的なデマが「地震雲」。雲は地震の前兆にはならないので地震が不安なら備えの確認を。

現代の科学では日時や場所を指定した地震予知は難しく、すべてデマです。自然災害を「人工的に引き起こされた」といって不安や対立をあおる陰謀論にも注意。

災害直後には、うその救助要請や、直接関係しない過去の災害や生成AIによるフェイク動画・画像が流れることも。

「避難所を出たら仮設住宅への入居資格がなくなる」「被災地に外国人窃盗団がきている」などの被災地に関わるデマもあります。


デマの可能性が高いのは、不安をあおる内容で、公的機関や報道にない情報、発信者が実名ではなく、これまでにも疑がわしい発信をしている場合などです。


なかには善意で誰かに伝えたくなるものもあるかもしれませんが、伝える前にひと息ついて冷静になり、デマを広げないようにしましょう。

荒木健太郎著『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』(KADOKAWA)

『すごすぎる図鑑シリーズ』今回のテーマは、自然災害と防災。災害が起こるしくみを知り、できるかぎりの備えにつなげる一冊。

近年、日本では「異常気象」と言われるような豪雨や台風、大雪などによる災害が頻発しているうえ、猛暑もいまや災害級と言われるまでになっています。さらには2024年の能登半島地震につづき、南海トラフ地震や首都直下地震、富士山の噴火など今後大きな災害が起こることも想定されています。

本書では、気象学者の荒木健太郎氏が、それらの現象が起こるしくみを科学的かつわかりやすく説明。「避難所で気をつけることは?」「津波の情報はどう活用すべきか?」など、具体的な対策と備えを詳しく紹介しています。正しい知識を身につけることによってさらに防災意識を高めましょう。