寂しい思いをさせているかも…シングルマザーになった私が、罪悪感に押し潰されないために決めた3つのルール
お子さんが年長のときに離婚し、シングルマザーになったライターの小栗詩織さん。子どもと向き合う時間を大切にしたい一方で、フリーランスとして働く不安や生活のプレッシャーに押しつぶされそうになることもあったといいます。
そんな中で小栗さんが決めた、親子ふたりが穏やかに暮らしていくための3つのルールとは。揺れ動いた当時のエピソードとともに、語っていただきました。
※写真はすべてイメージです。
結婚、出産、転居、離婚(!) 荒波のライフイベントに揺れる心
20代半ばに妊娠が発覚して、結婚。出産を機に仕事を辞めて、山梨県に引っ越しました。
初めて暮らす町で、夫(元夫)以外、知り合いはいない…。仕事を辞めてしまっているので、社会とのつながりもありません。しばらくは「そういうものだ」と赤ちゃんとの生活に没頭していたのだけど、やっぱりどこか虚しくなって、仕事をしたいと思うようになりました。それから私は知人から声をかけてもらったことをきっかけに、フリーランスとして仕事をすることにしたのでした。
ありがたいことに仕事は順調に増えていきました。一方でだんだん夫とずれていくようになってしまいました。31歳の年にお互いに限界を迎えて離婚。ひとり息子が年長の年のことでした。
今はすごく冷静に振り返っているけれど、当時はかなり混乱していたし、不安だって相当なものだったと思います。だから私は、自分の中でいくつかのルールをつくることにしたのでした。
そのときに決めたルールと当時ドタバタかき集めた情報。これがなかなか役立つもので、手のかかる幼児期・児童期のワンオペ育児と私の心を救う内容だったので、体験談として書いておくことにします。離婚に限らず、限界ワンオペ育児に奮闘している働くママ・パパたちに届くといいなと願って。
母ひとり、子ひとりで健やかに暮らしていくために
離婚した当時、私が決めた息子とのふたり暮らしのルールは次の3つ。
1、子どもは一人で眠れるようにする
2、仕事優先。仕事を断らず、とにかく働く
3、息子感謝デーをつくる
これらのルールにのっとった暮らしのリズムは、離婚して8年経つ今も変わらず続いていて、心身の健康をうまく保ってくれています。
1、子どもは一人で眠れるようにする
息子とふたり暮らしになってから、私は2度引越しをし、そのいずれも子ども部屋を確保できる部屋数の賃貸を借りました。6歳だった息子は、まだまだお母さんと一緒に眠りたい年頃だったとは思います。けれど、私は子どもをひとりで眠らせることを決めました。
どうしてそうしたか。子どもと一緒に眠ってしまうと、布団から出られなくなるから。布団から抜け出す際に子どもを起こしてしまう懸念があり、寝かしつけに時間とストレスがかかると考えたから。それならば、それぞれの部屋で眠ることをはじめからルールにしてしまおうと考えたのでした。海外では子どもが小さいうちからひとりで眠るのが当たり前だともいわれているしね。
そうすることで、子どもが布団に入ってからの時間を自由に使える時間にできました。昼間にできなかった家事をしたり、やり残した仕事をしたり。読書したり、動画を見たりして過ごすこともありました。もちろん早く眠ることもありました。やり残しなく日々を終えていくための数時間。この自由な時間を持つことは私の心を健康に保ち、家庭内を健やかに維持するために必要だったと思います。
ちなみに、一緒に眠ることをやめた代わりに、毎晩頭を撫でて「おやすみ。大好きだよ」と伝えるようにしました。これは子どもが中2になった今も変わらず続けています。
2、仕事優先。仕事を断らず、とにかく働く
そのために、あらゆるサポートサービスを利用しました。シングルマザーになった当時、私はフリーランスとして仕事をするようになって2年目。この先仕事を増やしていくためにも、長く個人事業主としてやっていくためにも、“子ども”を理由に仕事を断ることはしないようにしようと考えました。
そこで、子育て支援サービスを洗い出し、必要に応じていつでも利用できるように事務手続きなどを済ましておくことに。私が利用していたサービスは次のような内容でした。案外見落としがちだと思いますが、自治体が提供するサービスにも利用できるものがたくさんあると思います。
小学生になり、学校そのものの「預かり時間」の短縮があったときも、それらのサービスを組み合わせ、学校や学童だけでは補えない時間帯をカバーしていました。特に頻繁に利用した行政のサービスがこちらです。
ファミリー・サポート制度(ファミサポ)
ファミリー・サポート制度は、子育ての援助を受けたい「依頼会員」と、援助したい「提供会員」が地域で助け合う有償ボランティア組織が提供するシッター制度。学童のお迎えや施設終了後の預かり、急用の際などに利用。市のアドバイザーが間に入り、研修を受けた近隣の「提供会員」と引き合わせてくれるため、安心して子どもを預けられました。利用料金の手頃さも魅力です。
たとえば、私が利用した当時の山梨県の利用料金は、平日は1時間で700円、土日祝日は800円でした。
※利用料金や利用条件は自治体によって異なります。最新情報はお住まいの自治体のホームページなどでご確認ください。
子育て短期支援事業(ショートステイ)
出張など、外泊が必要な際に児童福祉施設などで宿泊を伴ってお子さんを預かってくれるサービスです。施設(乳児院や児童養護施設)で専門のスタッフがしっかり預かってくれるのが特徴で、市の相談窓口で事前登録をし、子どもと一緒に施設を見学に行くなどして利用。施設からそのまま小学校に通うこともできます。
これらと併せて民間の託児所も利用。土日祝日など保育園や学校がお休みの日の預かり先としていました。いつも同じ施設にお願いすることで、子どもにも顔見知りができて安心です。
そのほか、病児保育施設、出張に連れて行く際には現地の託児所なども利用しました。子どものそばにいてあげるだけが母親の役割ではない。私は生活を回し続けることを最優先し、託児料金を考えたらほとんど赤字になってしまうような仕事でも、とにかく断ることをしませんでした。
3、息子感謝デーを開催する
子どもにさみしい思いをさせているという後ろめたさのような自分の感情を払拭するために、やりたいこと尽くし、わがまま尽くしを叶えてあげる「息子感謝デー」を設けようと考えました。
「ディズニーランドに行きたい」「はとバスに乗りたい」「飛行機に乗りたい」「新幹線に乗りたい」「遊園地に行きたい」「ステーキが食べたい」などなど。幼い男児が思いつく範囲のわがままには、大人を心底困らせるような内容はひとつもありません。
子どもの願いを惜しみなく嬉々として叶えてやることができ、子どものとびきり喜んだ顔を見ることができる。「今日はわがままを聞く」と決めているから、ほとんど何でも笑って認めることができる。親子で思い出をつくることができ、日々どうしても抱えてしまう罪悪感も一気に払拭できる。これはなかなか予後が良く、いいシステムだったと思います。
こうした子どもとの突発的なお出かけは、子どもが思春期に入った今も続けています。今も仲良く機嫌よく一緒に出かけられているのは、幼児期からシステム化していた「感謝デー」の影響かもしれないと思っています。
”悩まない”ための、自分の判断軸
以上、離婚や別居を含めた究極のワンオペ子育てに向き合わなければいけないタイミングが来たときに、役に立つかもしれない体験談でした。
なるべくいつもそばにいてあげないと可哀想じゃないかとか、仕事を優先するなんてどこまで自分勝手なんだろうとか、自分を責める気持ちが繰り返しわいてきたことは言うまでもありません。けれど、「よそはよそ。うちはうち」なのです。
4月に中学3年生になる息子は、家事の面でももう立派な戦力。ときどき大人顔負けの小競り合いをしながら、比較的穏やかな思春期を迎えています。