麻しん「はしか」流行の兆し…うちは大丈夫? 母子手帳でチェックすべき“2回接種”の落とし穴

吉澤恵理
2026.03.11 17:37 2026.03.13 12:00

病院の診察室

福岡県で麻しん(はしか)の感染が確認されました。航空機や公共交通機関を利用していた可能性も報じられ、「これから広がるのでは?」「子どもは大丈夫?」と不安を感じている保護者も多いのではないでしょうか。麻しんは感染力が非常に強い一方で、ワクチンによって予防できる感染症です。今後の見通しや、家庭でできる対策について、竹内内科小児科医院院長の五藤良将先生に聞きました。(文・吉澤恵理)

航空機や公共交通機関での二次感染の可能性

――航空機や公共交通機関で乗り合わせていた人が感染した可能性はありますか?

可能性はゼロではありません。麻しんは空気感染を起こす非常に感染力の強い病気です。

感染してから症状が出るまで、潜伏期間は一般的に10~12日(カタル症状まで)、発疹出現までは約14日とされています。

もし二次感染が起きていれば、今後1~2週間の間に新たな患者さんが確認される可能性があります。

大きな流行になる可能性は?

体調が悪く病気のような疲れている男の子

――大きな流行になってしまうことはありますか?

日本ではMRワクチンの2回接種が定期接種として行われています。2回接種が広く行き渡っていれば、大規模な流行に発展する可能性は高くありません。

ただし注意点があります。ワクチン接種から年月が経つと、抗体価が徐々に低下することがあります。流行が長く起きていない地域では、自然感染による”免疫の再刺激”がないため、抗体がやや下がっている人が一定数いる可能性があります。

また、1回のみ接種の世代や接種歴が不明な人が多い集団では、小さなクラスターが起こることがあります。

しかしながら、2回接種を受けていれば重症化のリスクは大きく下がります。過度に恐れる必要はありません。

ワクチンの抗体はどのくらい続く?

――ワクチンの抗体は、どのくらい続くと考えればいいのでしょうか?

2回接種していれば、基本的には数十年単位で免疫が維持されると考えられています。ただし個人差はあります。

抗体がやや低下しても、免疫記憶は残っていることが多く、重症化を防ぐ効果は期待できます。

接種歴が分からない場合の抗体検査

母子手帳 マタニティ エコー

――接種歴が分からない場合には、抗体検査は受けたほうが安心でしょうか?

五藤良将

五藤良将

防衛医科大学校医学部卒業後、自衛隊関係病院、千葉県を中心とした病院勤務を経て、2019年9月から東京都田園調布の竹内内科小児科医院を継承し院長。2021年10月から医療法人社団五良会の理事長となる。五良会クリニック白金高輪、五良ファミリークリニックセンター南と分院も展開している。

日本内科認定医、日本抗加齢医学会専門医、日本美容内科学会評議員、日本温泉気候物理医学会療法医、日本旅行医学会認定医、複数の学校校医、難病指定医など幅広く診療を行っている。