小学校入学後に子どもが自分から勉強するようになる「ちょっとした作戦」

一般社団法人Raise

自分で勉強してくれる子になってほしいというのは多くの親御さんが思うところです。でも、いきなり自分でできる子なんていうのはいないのです。どこかの段階までは親の手助けが必要です。

この手助けも塩梅が難しく、悩みは尽きなくなっていきます。自走する子に育てるための親の関わり方について、『おうち受験コーチング』著者で3486人の家庭学習を指導してきた自宅学習のプロ、鈴木詩織先生に伺います。(聞き手・文/一般社団法人Raise)

学校から出る宿題以上のことはやらせないほうがいい?

――今年小学校に入学です。家庭学習はどの程度やった方がいいですか?

小学1年生の場合、まずは小学校という環境に慣れることが先決です。そのため、学校から出る宿題以上のことを無理にやらせなくても大丈夫です。

最初は学校から出る宿題も少ないため、もっと何かやらせた方がいいのでは?と焦る親御さんもいるのですが、入学当初は学校に通うだけでも精一杯という子もいるのです。

学童保育などに通う場合はさらに負担が増えているため、学習の負担まで一気に上げてしまっては、抱えきれなくなることも。最近は小学1年生で不登校になってしまう事例も出ていますから、ここは慎重にいきましょう。

もしも、宿題にプラスαでドリルなどに取り組ませたいという時は、夏休みあたりから始めると安心です。

学習を定着させるのに有効なのが、「美味しいとこ取り作戦」です。要は面倒な準備をまずは親の方で引き受けて、すぐに勉強が出来るように整えるというもの。

もちろん、準備が自分でできるというお子さんの場合はお子さんに任せても大丈夫です。しかし、なかなかそこまで行かないという子どもの場合は、ある程度のところまで親が準備をしておきます。

例えば、鉛筆が丸くなったら削るなどです。1年生だとできない子もいますので、親が少し手伝ってあげるとことで徐々にできるようになっていきます。また、いつもは出来ているという子の場合も疲れているとできないこともあります。

いつもは自分で鉛筆も削り、宿題も始めるのに、今日はなんだかだらだらしているな?と思った時は、親御さんの方で鉛筆を削ってあげてください。

これは勉強に限ったことではありません。お子さんにやってほしいこと、頑張ってほしいと思ってることがある場合は、めんどうくさいことを親の方で引き受ける「美味しいとこ取り作戦」をすることで、進んでやるようになります。

これは、子どもが「楽しい」という気持ちが強い状態になるからです。気分良くできた経験があると、そのまま継続して続けてくれます。低学年のうちはこの「美味しいとこ取り作戦」が有効なので、ぜひ試してみてください。

自分で学習計画を立てられるようになるのは中学生以降

――いつ頃から親は手を離したらいいですか?

個人差もあるのですが、小学校3年生頃までは「美味しいとこ取り作戦」をやってみてください。そのうちに出来ることが増えてきたら、徐々に手放していくといいでしょう。

しかし、具体的な学習計画まで自分で立てられるようになるのはもう少し先のことです。お子さんにより関わり具合は変わると思いますが、小学生のうちは、1%~10%くらいは関わってあげることが出てくると思います。

10歳頃までの子どもの場合、客観的に物事を見る力がまだ弱いです。上に兄や姉がいる場合など、希に自分で学習計画を立てるという子がいますが、これも上の子を真似ているだけということが多いため、ごっこ遊びに近い状態です。大局的に物事を見て自分で判断しているわけではありません。

5年生、6年生あたりから徐々に物事を客観的に見る目が育ち、完全に自分で学習計画を立て、一人で実施できるようになるのは中学生頃からです。

中学入学後に親がやりがちな2つの失敗

ここで親御さんがしがちな失敗事例2つを紹介しましょう。

1つは、小学校低学年並のサポートを中学生になっても続けているというものです。下敷きや鉛筆の準備、明日いる教科書の準備まで、全て親御さんがやっているという家庭は気をつけた方がいいです。

子どもはいつかは自分の足で生きていかなければなりませんから、自分でできることは自分でするように促していかなくてはいけません。

2つ目は、この真逆で、中学に入学したのをきっかけに、一気に手を離してしまう親御さんです。小学校の時は、受験で合格させるためにと、勉強についての全てを親御さんが管理していた家庭は要注意。

これは親御さんだけが悪いわけではなく、塾の指導の問題もあります。合格のためにはコレをやらないといけないと、塾から指示をされるので、子どもが塾で落ちこぼれないためにと、必死になっていくのです。

しかしこれは、もらった問題ができるように親御さんが管理して捌いているだけのため、一向に自分で勉強を組み立てられるようにはなりません。こうした家庭のお子さんの場合、晴れて合格、もう中学に上がったのだからといきなり親が手を離すと、子どもは自分でできませんからそのギャップが大きすぎて、撃沈してしまうケースがあるのです。

徐々に手を離す方法は色々とあるのですが、例えば、今まで全ての学習計画を親が決めていたと言う場合なら、少しずつ本人に任せるという方法があります。まずは、その日に取り組む内容までは親御さんの方で決め、それをどういう順番でやるかを本人に決めさせるのです。

1日分の計画をするところから始めて、できるよになれば、次は1週間、1ヶ月と、自分で計画する期間を広げていきます。大事なところはサポートしつつ、徐々に本人に任せていくことで、自分で計画的に勉強を進める力がついていきます。