新1年生が「学校に行きたくない」と言ったら 大事なのは“遅刻も休みもOK“の姿勢

佐々木陽子
2026.03.06 16:49 2026.03.17 11:50

小学生の朝の支度の風景

「学校に行きたくない」と言われると、親として不安になるものです。
新1年生にとって、慣れない学校生活は緊張の連続。小さな体で、想像以上のエネルギーを使っています。

大切なのは、「きちんと行かせること」だけをゴールにしないこと。本記事では、「行きたくない」の背景を見極めるヒントと、家庭でできるサポートのポイントを、『子どもが小1になったら知りたいことが全部のってる本』からご紹介します。

※本稿は、主婦の友社 (編集), 佐々木陽子 (監修)『子どもが小1になったら知りたいことが全部のってる本 (知りたいことシリーズ) 』(主婦の友社)より一部抜粋、編集したものです。

遅刻したって大丈夫! 無理せず一歩ずつ学校になじんで

寝ている女の子

子どもが「学校に行きたくない」と言うのは、決して珍しいことではありません。理由はさまざまですが、とくに1年生の春に多いのは、安心できるおうちから離れることへの不安感です。朝のしたくや登校時には泣いたりぐずったりしても、教室に入ってしばらくするとケロッとして楽しめる。こうした光景は、1年生の教室ではよく見られることです。

学校生活は、時間割や集団行動など、初めての連続です。大人が思う以上に、子どもたちは毎日緊張と頑張りを積み重ねています。

だからこそ、まずは「行きたくないんだね」「ちょっと疲れちゃったかな?」と共感を示し、安心させてあげましょう。

どうしても休みたいと訴えるときは、無理をさせずに休ませてOK。そのうえで、担任の先生に学校での様子を聞いてみましょう。

一方で、休みが続いてしまうと、登校のハードルが上がり、学校への拒否感が強まることもあります。子ども自身が不安を克服していくためにも、ここは踏ん張りどころ。教室まで付き添い登校をしたり、教室に入りたくないときは保健室登校でも大丈夫。遅刻したってかまいません。先生にも相談しながら、子どものペースで一歩ずつ進めていきましょう。

「行きたくない」の理由を見分けるヒント

抱き合う親子

■Type1:母子分離不安タイプ

・朝の別れ際だけ泣いたり、ぐずったり
・帰宅すると、学校では楽しく過ごせた様子

登校時に涙が出たり、「ママといたい」というのは、学校が嫌いというより、安心できる場所から離れる不安のあらわれ。「今日の給食、カレーだって!」など、学校が楽しみになるような声かけが、気持ちを立て直す助けになることも。教室まで見送ったり、帰宅後はたっぷり甘えさせたりして、安心の積み重ねを。

■Type2:人間関係・環境タイプ

・特定の子や先生との関係を気にしている
・教室の音や光などを気にする様子がある

教室の音やにぎやかさがストレスの原因になることも。先生や養護教諭に相談し、休み時間は静かな場所で過ごせるようにする、疲れたときは保健室で休ませるなど、安心できる環境への工夫を。また、友だちとケンカした翌日は、気まずさから行き渋ることも。多くは一時的なことなので、心配しすぎずに見守って。

■Type3:体調・睡眠リズムタイプ

・朝、なかなか起きられない
・頭痛や腹痛を訴える

眠気や頭痛、腹痛を訴える場合、生活リズムの乱れが影響していることも考えられます。ただ、小1の春は、「学校に行く」ことだけでも、子どもにとっては大きなエネルギーを使う時期。午前中から居眠りする子も少なくありません。家庭では早寝早起きや朝食のリズムを見直し、体調をととのえましょう。

「行きたくない」を乗り越えて少しずつ自立していきます

野原を走る小学生たち

1年生の「行きたくない」は、多くの場合、学校に慣れていく過程で感じる自然な心の揺らぎです。「友だちと楽しく遊べた」「給食がおいしかった」。そうした日々の経験が自信となり、自立への一歩につながります。

佐々木陽子

現役の小学校教諭であり、低学年の担任経験が豊富。現在は主幹教諭として教えるかたわら、先生が読む教育情報サイト「みんなの教育技術」にて執筆を行ったり、働く母としての経験もいかし、雑誌等で小学生のママ・パパのお悩みに寄り添う。雑誌「小学一年生」(小学館)の連載「子育て相談室」では回答を担当。著書に『子どもの心をガッチリつかむ! とっておきの教室トーク&学級経営ネタ60』(明治図書出版)、『クラスがまとまる小学一年生学級づくりのコツ』(ナツメ社)など。

子どもが小1になったら知りたいことが全部のってる本
主婦の友社 (編集), 佐々木陽子 (監修)『子どもが小1になったら知りたいことが全部のってる本 (知りたいことシリーズ) 』(主婦の友社)

小学1年生の1年間は子どもにとっても親にとっても「はじめて」の連続です。
「どんなことを準備すればいいの?」「生活がどう変わるの?」「何が大変なの?」など小学校入学にともなう、さまざまな疑問や不安に答えるのが本書。
親子の前に立ちはだかる「小1の壁」を、笑顔で乗り越えていくために知っておきたい大切なことを1冊にまとめました。

小学校の入学準備から、小1の学校生活、学習や人間関係、親の働き方まで、「知っておきたいこと」や「やっておきたいこと」がひと通り分かり、親子で準備すべきことが見える化できます。
現役の小学校教師が監修を務め、最新の小学校事情を反映しているのも特長。
「学習でつまづきやすいところは?」「お友達とけんかしたら?」「長期休みの乗り切り方は?」
「学校に行きたくないと言われたら?」など、入学後に起こりがちな悩みやトラブルへの対処法もまとまっており、入学後も役立つ1冊となっています。

小学校生活がどんなものか、どんな悩みが起こるのか、分かっておくだけで漠然とした不安が解消され、心に余裕をもって対処することができます。
「小1」という一度しかない特別な時間をめいっぱい楽しめるように、本書をぜひご活用ください。