「返事がない=嫌われた?」 早とちりする前に知っておきたい子ども同士のLINEの心得
友だちからのメッセージに、「すぐ返さないと」と焦ったり、返事がなくて「嫌われたかな」と落ち込んだりすることは、子ども同時のやりとりでよくあることです。LINEなどのツールは便利ですが、相手の状況や感情が見えないという点で、対面や電話とは少し違う、特殊なコミュニケーションとなります。
これからスマホデビューする子どもたちが、トラブルを避けながら穏やかな気持ちでコミュニケーションツールを使えるようになるポイントを、メディア情報リテラシーの専門家・安藤未希先生の著書よりご紹介します。
※本稿は安藤未希著『スマホを持つ前に知っておきたい 情報との上手な付き合い方』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです。
友だちも「自分時間」を持っている
友だちからLINEやメッセージの返事が来なくて不安に思ったことはありますか?
返事が来ないと、「何か変なことを送ったかな」「嫌われたかな」と不安に思うかもしれません。でも、気にしなくて大丈夫です。文字以外のコミュニケーション方法、たとえば電話やテレビ電話、直接会って話すときには、基本的にお互いがコミュニケーションを始める準備が整ってからやりとりが始まります。だからすぐに友だちが反応してくれるのです。
いっぽう、メッセージは、相手がどのような状況か確認をせずに送ることができます。友だちが家族と食事をしていたり、習い事に行っていたり、ひとりで趣味に集中しているときでも、あなたのメッセージは友だちに届きます。だから、あなたが連絡したとき、友だちはたまたま別のことをしていてすぐに返事ができなかっただけかもしれません。
そう考えると、LINEなどは少し特別なコミュニケーションツールといえます。友だちからすぐに返事が来ないと落ち着かないかもしれませんが、友だちが自分時間を持っていることを尊重して、心配せずに返事を待ちましょう。そして、あなたもあなたの時間を楽しみましょう。
「すぐに返事しなきゃ」と思わなくてもいい
友達からの返事を待つのとは反対に、自分がすぐに返事ができなくて申し訳ない気持ちになったことはありませんか?
すでに説明したとおり、LINEやメッセージは相手の状況を確認せずに送信することができます。ですから、もしあなたがすぐに返事ができなかったとしても、申し訳ない気持ちになる必要はありません。あなたが友だちの状況を知らないように、友だちもあなたの状況を知らないからです。
ただ、新しくできた友だちに連絡するときなど、まだ友だちとの関係性ができていない時期は、すぐに返事をしたい、と思う人も多いでしょう。
そんなときには、「すぐに返事ができない理由」を説明するメッセージを先に送ることがおすすめです。「これからごはんだから、あとで詳しく返事するね」という一言を送るだけで、あなたの気持ちが落ち着くだけでなく、待っている友だちも安心するはずです。
相手の気持ちを考えながら自分の状況を伝えることは、友だちとの関係づくりにも役に立つでしょう。あまり神経質にならず、ゆったりとした気持ちでメッセージに向き合うことも大切です。
「ここだけの話」「感情的な勢い」は避けよう
LINEやメッセージは、やりとりが記録に残る点でも、ほかのコミュニケーションツールとはちがいます。だからこそ、いつでも自分のタイミングで確認することができるのです。 ただ、「ここだけの話」も記録に残ってしまいます。送ったあとに削除したとしても、削除したことが記録されることもあります。
インターネット上に一度書き込んだことは、完全には削除できない可能性が高いです。それはインターネット上でやりとりをしているLINEなどのメッセージツールも同じです。そういった特徴を理解したうえで、友だちやおうちの人とメッセージを送りあうことを心がけましょう。
学校でのケンカの続き、LINEやメッセージでのやりとりのすれちがい・かんちがいによって、友だちから感情的な文章が送られてくることもあるかもしれません。そんなときは、その感情を正面から受けとり、勢いで返事をするのではなく、一度時間を置いて、冷静になってから返事をするようにしましょう。
あなたは何か嫌なことが起きたとき、1日中ずっと、その嫌な気持ちが同じ強さで続きますか?
嫌なことが起きたときが一番嫌な気持ちが強いときであり、だんだんと気持ちが落ち着いてくることがほとんどのはずです。
これは感情的なメッセージを送ってきた人も同じです。メッセージを送って来たときが一番気持ちが強く、時間を置くとだんだん冷静になる可能性が高いのです。
そのため、メッセージを受けとったあなたが、時間を置いて冷静に返事をすることで、相手に冷静になってもらう機会をつくることもできます。
そして、お互いに冷静になったあと、話し合う機会を持ちましょう。メッセージを続けて解決してもいいですし、電話などのほかの方法を使ったり、複数の方法を組み合わせるのもいいですね。もし必要であれば、周りの大人にも相談しましょう。
不安なときは直接伝えよう
友だちとLINEやメッセージでやりとりをするとき「友だちに嫌な思いをさせてしまったらどうしよう」と心配になったことがある人もいるかもしれません。
たとえば、友だちから遊びに誘われたのに、断らなければいけないこともあるでしょう。あなたが遊びの誘いを断ったとき、友だちはメッセージ上ではいつもどおりでも、画面の向こうでは悲しんでいたり、怒っていたりするかもしれません。それを知ることができないので、不安な気持ちが湧いてきます。
このようなときは、LINEやメッセージで返事をしたとしても、次の日に学校で会ったときなどに、もう一度、直接事情や気持ちを伝えるといいでしょう。「誘ってくれてうれしかった。でも、予定があって遊ぶのはむずかしい」ということを直接説明することで、あなたの気持ちをよりわかりやすく友だちに伝えることができます。
つまり、LINEやメッセージというひとつのコミュニケーションツールだけに頼るのではなく、より感情が伝わるほかの手段も一緒に使うことで、友だちとの関係性をさらにいいものにすることができるのです。1回伝えたからもういいや、と考えるのではなく、自分の気持ちが正確に友だちに伝わったかを大切にしましょう。
安藤未希 (著)『スマホを持つ前に知っておきたい 情報との上手な付き合い方』(かんき出版)
・生成AIにウソをつかれた
・気になる動画がどんどん流れてきてYouTubeをやめられない
・ふざけて送ったメッセージで友だちを怒らせてしまった…
・テレビとSNSで言ってることがちがう?
こんなインターネットの「なぜ?」やトラブルの原因がわかり、スマホやタブレットを上手に使いこなせるようになる本ができあがりました。
インターネットは特別なものではなく、勉強や習い事などと同じように、練習を積み重ねることで上手に付き合うことができるようになるものです。
全国の学校を回り、子どもたちに「メディア情報リテラシー」の授業を行う著者が、そんなインターネットと情報に接するときの土台になる考え方をわかりやすくお伝えします。
中身はイラスト満載!
ルビも振られているので、親子で一緒に楽しめます。
もちろん、お子さんがひとりで読むこともできます。
これからを生きていく子どもたちは、インターネットを避けて通ることができません。
混乱に巻き込まれないためには、インターネットについての知識を身につけ、自分自身で情報を判断する力が必要です。
また、情報との付き合い方を考えることは、周りの友だちや大人との付き合い方を考えることにもつながります。
インターネットの世界を上手に使いながら、素敵な現実世界をつくっていきましょう。
