保育園・復職をスムーズに 入園2週間前から始めたい「ねんね準備」のコツ

愛波あや(著)、西野精治(監修)


復職や保育園入園が近づくと、生活リズムが大きく変わります。そんなときに親子の負担を減らしてくれるのが、赤ちゃんの「睡眠リズム」です。

入園の2〜4週間前から少しずつ整えておくことで、新しい生活にもスムーズに慣れやすくなります。保育園生活に向けた「ねんね準備」のポイントを紹介します。

※本稿は、乳幼児睡眠コンサルタント・愛波あや(著)、スタンフォード大学教授・西野精治(監修)『赤ちゃん超ぐっすり育児 親子でしあわせになる寝かしつけメソッド』(KADOKAWA)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

保育園・復職時への備えは、まず″リズム″を整える

7か月を過ぎるころ、復職後や保育園入園後のことを考え始める家庭も多いでしょう。赤ちゃんの成長は喜ばしい一方で、仕事と育児の両立に不安を感じるのは自然なこと。朝の支度や通勤、離乳食、送迎など生活リズムが変わるこの時期こそ、「睡眠のリズムを整えておくこと」が家族全員を支える土台になります。

⑴ 家では「質を整える」、園では「柔軟に受け入れる」

まず知っておきたいのは、保育園のお昼寝環境は家庭とは大きく異なるということです。明るい部屋で生活音のある園での環境に順応しながら、赤ちゃんは「ここは園」「ここは家」と環境の違いを学ぶ力をつけていきます。

そのため、家では暗く・涼しい環境で睡眠の質を整え、園では先生方の対応を信頼し、柔軟に受け入れる姿勢が大切です。

ただし、1歳未満の赤ちゃんに掛け布団を使用している場合は、窒息リスクがあるため、必要に応じて先生方にやさしく相談してみましょう。安全な睡眠環境を家と園で共有していくことが大事な一歩になります。

(2)入園2〜4週間前から「保育園リズム」に近づける

体内時計が新しい生活に慣れるには時間がかかります。入園の2〜4週間前から、少しずつ次の点を整えていくのがおすすめです。

・親子とも復職後の起床時間にしっかり起きる
・親子とも起きたらすぐ朝の光を浴びる
・日中はその日の活動時間に合わせて寝かせる
・子どもが夜にしっかり眠れるリズムを作る
・親が園の生活リズムに合わせて生活する

朝の光は体内時計を整え、夜の自然な眠気が出るのを助けます。「入園してから慣れる」より、「入園前に慣らす」ほうが、親子ともに負担が少なくなります。

⑶ 夜のルーティンは「短く・同じ」が正解

復職後の夜は慌ただしくなりがちです。保育園にお迎えに行ってからお風呂、離乳食、連絡帳の確認・記入に、汚れたものを洗濯するといった子どものことに加え、家事などやることが盛りだくさんです。

慣れるまではとにかく目まぐるしい忙しさだと思いますが、寝かしつけの流れだけは一定にしてあげましょう。

一緒にいてあげられる時間が短くなったからこそ、ルーティンは長くしてあげなくちゃと思うかもしれませんが、短い時間でも大丈夫です。大切なのは、毎晩同じことを同じ順番で繰り返すことです。

・絵本を1冊読む
・スリーパーを着せる
・「大好きだよ。おやすみ」と伝えて消灯

このような短くても同じルーティンを毎晩繰り返すことで、子どもは安心して眠りに向かいやすくなります。

⑷ 保育園の先生と「ねんね情報」を共有する

保育園でのお昼寝は、おうちとはまったく違う環境の中で行われます。だからこそ、先生とのねんねの情報共有がとても大切です。

例えば、「お気に入りのスリーパーを着せてもらえるか」「安心できるぬいぐるみを持参できるか」「あえてトントンや抱っこはしないで、寝つくまで見守ってもらえるか」などといった小さなことでもあらかじめ相談をしておくことで、子どもは″ねんねの前のいつもと同じ安心感″を園でも感じることができます。

また園でのお昼寝の状況を知ることも大切です。私が住むニューヨークの保育園では、子どもたちが寝た時間と起きた時間を毎日アプリに記録してくれていました。

もし園で連絡帳やアプリに記載がない場合は、「今日は何時に寝て、どれくらい眠れましたか?」と気軽に保育士さんに尋ねてみましょう。

子どもが園でどれだけお昼寝をしたかによって、「今夜は少し早めに寝かせよう」「今日はたっぷり昼寝したようだから、寝る前に少し遊んで体力を使おう」など、夜の就寝リズムを柔軟に調整することができます。園と家庭が″ねんね″の情報を共有し、子どもの眠りを一緒に支えていけたら、一番理想的です。

⑸ 朝と夜は「親子の再会時間」に

一緒にいる時間が短くなって不安を感じることもあるでしょう。でも大丈夫。朝は目を見て「おはよう」、帰宅後は抱きしめて「おかえり」、寝る前に「生まれてきてくれてありがとう」。その積み重ねが何よりの安心になります。

また、復職直後は夜泣きや寝つきの乱れが出ることもありますが、多くは一時的なものです。子どもの疲れが強い日は20〜30分早く寝かせるだけでも十分。環境が変わっても、親が穏やかでいることが、赤ちゃんの安心につながります。

⑹ 「完璧な睡眠」より「安定したリズム」

ママの復職直後は、赤ちゃんにとっては保育園に通い始めたばかりのタイミング。夜泣きが戻ったり、寝つきが不安定になったりすることもあります。でも、それは自然なこと。

赤ちゃんが新しい環境に慣れるまでには、2〜4週間かかるのが普通です。大切なのは「できる範囲で睡眠リズムを守る」ことです。

また、保育園に通い始めると遅寝になりやすく、リズムが崩れやすくなります。そんなときは、なるべく早寝をすることで保育園での疲れや緊張をほぐすことができるので、いつもより20〜30分の早寝を心がけてみてください。それだけで十分です。一度整った睡眠リズムは必ず戻ります。


愛波あや著、 西野精治監修『赤ちゃん超ぐっすり育児 親子でしあわせになる寝かしつけメソッド』(KADOKAWA)

「なかなか寝てくれない」「夜中に何度も起きてしまう」と、赤ちゃんの睡眠に悩んでいるママやパパへ。乳幼児睡眠コンサルタントの愛波あやが、「ねんねの悩みは必ず改善できるよ」というメッセージとともに、親子でぐっすり眠れるメソッドを紹介します。

スタンフォード大学の睡眠研究者・西野精治の監修のもと、科学的に正しい寝かしつけを取り入れることで、親子でぐっすり眠れる毎日を目指せる一冊です。