「ほめすぎると甘やかしになるのでは?」と気持ちを抑えてしまうあなた、もったいないですよ。幼少期に溢れるほどの愛情を注ぐことは健全な成長に必須なのです。
 

 

遠慮は不要! 120%でほめて!

もっと絶賛していいのです

 

親は「子どもをほめること」が、頭ではとても大切だと思いながらも、実際は、毎日叱ったり、ぐちったりしてしまうものです。

 

わが子の成長とともに、他の子との比較などを通して、親はわが子への要求や期待のレベルを上げるので、すごくよくできたときしか、ほめられなくなったりします。もっと小さい頃は、「ボタンがはめられたね」「お野菜が食べられたね」とことあるごとにうーんとほめていたのに。

 

また、親子は普段、一緒に暮らすなかで遠慮がなくなったり、互いに気を遣わなくなり、「できて当たり前」の関係になりがちです。家族のなかで、互いにほめることや感謝することが少なくなるのはそのためです。他人の子どもはほめやすいけれど、家庭で親がわが子をほめることは、案外、難しいことなのです。

 

ほめられた経験は、大人になってからも支えになる

でも、人の成長には、ほめられることが不可欠です。ほめられることで、「自分はこれでいいんだ」「自分はやればできるんだ」「自分って案外すごいかも!」など、自己肯定感や自信、自尊心などが芽生え、やがて大人になって、ほめられる機会が減っても、また、失敗やを経験しても、前向きに自信をもって歩んでいけるようになるのです。ほめることは、心の成長の一番の栄養なのです。


親も、毎日毎日ぐちっているより、子どもの良さを探し、ほめるほうが、いい気分で過ごせるでしょう。だから子どもをどんどんほめちぎりましょう。そのとき、子どもが照れて、「それほどでもないよ!」などというかもしれませんが、心の中ではうれしいはずですから。

 

PHM15_0033.jpg

 


 

◎◎◎こんなとき、どうほめる?◎◎◎
子どもが初めてコマを回せたとき

 

<ほめる>
「ほんと!? よかったね、まじめにやればできるじゃない」と子どもを見て言う。

   

<ほめちぎる>
「回せた!? やったね!!」と、微笑んで子どもにVサイン!
「ひもコマってむずかしいのに、すごいね」

 

★★★ Point ★★★

どんな表現でも、子どもは親からほめられるとうれしいものです。でも、親の立場で合格点に達したことだけを評価してほめるよりも、子どもの立場に立って子どもの喜びや驚きに共感し、微笑む表情や動作をするとともに、子どものそれまでの努力(やり方)を認めたり、できた行動の価値を伝えるようにほめちぎると、もっとうれしいかもしれません。

 


 

「ほめちぎり」と「甘やかし」どこが違うの?

「違いがわかるママ」になれば、きっと自信と自己コントロールのバランスがとれた子に育ちます。

 

多くの親は“ほめちぎる”と“甘やかし”になり、子どもがわがままになってしまうのではないかと思っています。
 

でも、ほめちぎることで、子どもがわがままにはなりません。もし、ほめちぎるだけで、叱るべき時に叱らなかったら、“甘やかし”になり、子どもがわがままになることもあります。多くの子どもは、ほめてくれる人、自分を大切にしてくれる人を好きになり、その人の言葉に耳を傾け、その人の期待に沿いたいと思い、行動するようになります。

 

いつもほめているからこそ、「ここぞ!」の叱りが効く

とはいえ、まだ子どもですから、時には自分の欲求にまかせて、わがままを言うこともあります。例えば、ブランコが上手にこげることをほめたら、うれしくてずっと乗っていたくなり、順番を変わらないことがあります。その場合、「喜んでいるのだから、もう少し乗せてやりたい」と思うのが親心かもしれませんが、そこは「上手なのはわかったから、もう、替わろう、お友だちが待ってるよ、順番! 順番」と言って、促します。


交代することができたら、「自分で交代できたね、さすが、お兄ちゃんだね」とほめます。ここが大切です。順番だから交代することは当たり前なのですが、自分の欲求を抑えて、譲れることは、幼い子どもにとっては難しいことですから。

 

普段、ほめられている子どもは、叱られると、その意味を理解し、納得して、自ら行動を変えようとします。子どもをどんどんほめ、ほめちぎり、同時に叱るべきときには叱っていくことが、子どもの自己肯定感や自信、同時に自己コントロールの力につながっていくのです。

 

「ほめちぎる」と「うぬぼれ」ませんか?

親は「ほめちぎると、うちの子は調子に乗って、うぬぼれてしまうのではないか」と思いがちです。子どもがほめられて「僕ってすごい!」「なんでもできるよ」と自信をもてることはすばらしいことです。子どもは幼いほど、万能感をもつ傾向があります。それは、まだ、いろいろな経験をしていないので、自分の実力がわからないからです。ほめられると全部できるような気がして、何でもやってみたがるのです。
これは、大人が実力を自覚せずに過剰な自信をもつ「うぬぼれ」とは違います。幼児期や児童期のはじめは、「なんでもできるよ」といった自信をもっていろいろなことにチャレンジできるぐらいがよいのです。

 

 

岩立京子 いわたて きょうこ
東京学芸大学教授
東京学芸大学教育学部卒業。筑波大学大学院心理学研究科博士課程単位取得退学。専門は発達心理学、幼児教育。著書に『いい母は、いい子をつくれない』(経済界)ほか多数。

 


 

のび10.jpg

『PHPのびのび子育て』は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌です。
 

◎◎年間購読のご案内◎◎

 「子どもをつれて買い物に行くのは大変…」「ついつい、買い忘れてしまう」

そんなあなたにおすすめしたいのが、年間購読。毎月ご自宅へお届けします。

送料無料。お手続きはこちらからどうぞ。