挨拶をする子としない子の違いとは? 池崎晴美先生の『12歳までに身につけたい「幸せな人づきあい」の習慣』よりご紹介します。

 
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子どもたちが小学生のとき、わが家に友だちがお泊まりをする機会が何度かありました。そのときに「あれ?」と思ったのが、挨拶をする子としない子がいたということ。
 
朝になって「おはようございます!」と言う子もいれば、何も言わずに朝食のテーブルにつく子もいます。「いただきます!」と言う子と黙って食べ始める子。
 
その様子を見て思ったのは、「もしかして挨拶には家庭が関係しているのかな」ということでした。挨拶をしない子にさりげなく聞いてみると、やはり家でも「おはよう」や「いただきます」は言わないとのこと。なるほど、と思いました。
 
そうした経験から、親が挨拶を自然に口にしていれば、子どもも無理することなく挨拶を身につけることを実感したのです。だから、お子さんを「挨拶のできる子」にしたいのなら、まずはお母さんが「挨拶のできる親」になることです。もちろん、お父さんもです。
家庭のなかで挨拶が空気のように当たり前に存在していると、子どもは挨拶に苦手意識をもったりすることはなくなります。
 
これは知人から聞いた話ですが、お子さんの友だちでとても礼儀正しい子がいるそうです。家にあがるときは「こんにちは。おじやまします」と言って自分の靴を揃える。返事は「はい」。おやつを出すと「ありがとうござます」と頭を下げる。帰るときには「さようなら。おじゃましました」。
小学校4年生だそうです。とてもしっかりしているんだなと感心しました。
 
あなたのお子さんがそんなふうに、好印象を与えられるようになるとステキだと思いませんか?
「そのためには挨拶の大切さをしっかりと叩きこんだほうがいいんですよね。でも、挨拶ができないからといって怒ってもいいのかしら?」
それはやはりNGです。挨拶ができないからといって叱ってしまっては、子どもは挨拶に苦手意識をもってしまう可能性が高くなるでしょう。「言わされている感」があるとどうしても無理が生じてしまいますし、習慣化しにくい面もあります。
 
挨拶の習慣をつけるもっとも簡単で効果的な方法は、親自身がふだんの生活で挨拶の言葉を口にすること。これに尽きます。親が挨拶をしないと子どもも挨拶を口にしません。
 
親御さんの影響に関するエピソードをもう一つお話ししましよう。
息子の小学校時代の友だちに笑顔を見せない女の子がいました。
彼女は子ども同士で遊んでいるときは笑顔を見せるのですが、大人に対しては滅多に笑わないのです。話しかけても無表情で、返事をするときも言葉は少なめ。挨拶もするにはしますが、表情に乏しくて少し気になっていました。
実は彼女のお母さんが感情を表に出さないタイプ。悪い人ではないのですが、ちょっとつかみどころがない感じの人でした。そのお母さんの影響をお子さんが受けていたようです。
お母さんにしてもお子さんにしても、笑顔がとってもステキなのに、それでずいぶん損をしているんじゃないかな、と思いました。明るい表情で挨拶が上手にできるようになれば、本来備わっている魅力を出し切れるのに……。
これはすべての人に言えることです。
 
また「笑顔」を通して感じることがあります。それは、笑顔のできていない人のほとんどは、自分が笑みを浮かべていないことに気づいていない、ということ。
きっと本人としては微笑んでいるつもりなのでしょう。でも、微笑みどころか、相手からは怖い顔をしていると受け止められるケースが多いのです。これでは人生で大きな損をしているようなもの。第一印象が良くないと、あとあとまで引きずります。
真顔で会話をする人は、マイナスの思考に陥りやすいことをご存じですか?
 
脳は、笑顔になると心も楽しくなるというしくみをもっています。例えばむかしの人は、子どもが泣いているときに「笑って、笑って」とよく声をかけていました。そのことで、心が元気になることを生活の知恵として知っていたのだと思います。
笑顔になると楽しくなる。逆に、笑顔がないとマイナスになるわけです。
 
だから、知らず知らずのうちに怖い顔になって挨拶をしていると、マイナス思考を相手にぶつけてしまうことになります。笑顔の挨拶はプラスの思いを伝えるので、そのあとの会話もまったく変わってきます。こちらが笑顔になれば相手も笑顔になるので、笑顔の挨拶がもたらす効果は、相当なものなのです。
何度も言いますが、お子さんの挨拶は親次第です。
 
 
 

 
 
【出典】『12歳までに身につけたい「幸せな人づきあい」の習慣』(PHP研究所)
 
 
【著者紹介】
池崎晴美 いけざき はるみ
話し方講師、フリーアナウンサー。ラジオパーソナリティ、NHK、CBC、東海テレビでリポーター、ケーブルテレビでキャスターを務めた後、1994年に(有)フロム・サーティを設立。話し方のプロフェッショナルとして、教育機関・企業・省庁などで、講演活動や研修を通じて、年間約1万人に話し方の大切さを伝え、コーチングを取り入れた話し方講座「ハッピートークトレーニング」の研修をおこなう。体験談やワークを交えた実践型のセミナーに定評があり、近年はその活動は注目され、多くのメディアで取り上げられている。また、全国の小学校で子どもたちに「言葉」の大切さを教える「ハッピートーク出前授業」は人気を博す。
著書に『心をギュッとつかむ話し方入門』(かんき出版)、共著に『やりたい仕事で幸せになる! 名古屋女性・起業独立100の物語』(あさ出版)がある。
プライベートでは2児の母。多くの人に話し方やコミュニケーションを通じて夢や幸せをつかんでもらいたいという思いで、国内はもちろん、海外まで活動を広げ、ロサンゼルスのラジオ局TJSにてパーソナリティを務めている。
ホームページ
http://www.hi-from30.com/
 
※「ハッピートーク」は、有限会社フロム・サーティの登録商標です。