すぐ泣く、暴れる......春は子どもが不安定になりやすい季節。子どもの心が乱れる原因をきちんと理解し、温かく受け止めましょう。

 

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幼児期から児童期というのは、自分の世界がみるみる広がっていく時期です。慣れ親しんだ家庭での生活と違って、幼稚園や学校の生活は非常に刺激に満ちています。新しいことを学んだり、友たちと遊んだりイタズラをしたり、毎日がワクワクすることの連続です。

 

そんな楽しい毎日でも、家庭にいる時と違って、どこか緊張感があります。新たな世界に適応しようと、小さな身体で精一杯頑張っているのです。ですから家に帰るとホッとし、気が緩んで疲れかドッと出たり、我慢していた反動でわがままが出たりということがあります。

 

こんなわが子を、温かく迎え入れ、エネルギーを補給できるのかお母さんです。あなたのもとでエネルギー補給ができるからこそ、子どもは翌朝からまた冒険ができるのです。

 

まずは、子どもの感情が揺れ動く原因を知ろう!

 

大きく3つ挙げられます。原因を知ることは、子どもの気持ちに寄り添う近道です。

 

【原因1:時期の問題】 春は親子にともにストレスを抱えやすい

 

保育所や幼稚綱に通い始めたり、小学校に入学するなど、春は生活環境に変化が生じやすい時期です。そうした未知の環境に入っていく時は、誰でも不安で緊張し、プレッシャーがかかります。お母さんも、わが子がうまく適応できるだろうかと不安になりがちで、春は親子ともども気持ちが乱れやすくなります。

 

【原因2 環境の変化】 お母さんから友達中心の生活に

 

入園や入学によって子どもの環境は大きく変化します。一番大きな変化は、お母さんとの関わりが中心の生活から、友だちとの関わりが中心の生活に変わることです。お母さんは、自分の目線に合わせてくれ、要求にもできるだけ応えようとしてくれます。でも、友たちは遠慮なく自己主張してきます。お母さんのように合わせてはくれません。やさしい子もいますが、自分勝手な子もいます。そこでいろいろなタイプの友だちとのつきあい方を学ぶのですが、相手がお母さんの時と違って思い通りにならないことが多いため、非常にストレスが溜まりやすいのです。

 

【原因3:性格的特徴】 どんな性格の子でも心は乱れる

 

性格的に引っ込み思案の子にとって、お母さんのもとを離れて園や学校という慣れない場で過ごすのは、とても不安なものです。わがままな子は、お母さんと違い自分に合わせてくれない友だちとのつきあいにイライラさせられます。のんびりマイペースな子は、なかなか先生の指示通りに行動することができず、しょっちゅう急かされたり、叱られたりします。活動性が高い子は、たえず動き回り、好奇心に任せて勝手なことをしては先生から叱られます。

つまり、心が乱れる原因は子どもによってそれぞれ違いますが、どんな性格の子にとっても、環境が変化する春は試練の時なのです。

 

すぐ「泣く子」「怒る子」にしないための心得

 

子どもは思っている以上に、お母さんの影響を受けるもの。あなたの姿勢、心の状態を一度よく見つめて、3つのことを心がけましょう。

 

【どっしり構える】

 

お母さんの不安は、子ともに伝染します。お母さんがちょっとしたことに動揺したり、感情的になったりすると、子どもは不安になり、泣いたり怒ったりしやすい子になっていきます。嫌なことがあってお母さんに話した時、それは大変だとお母さんが動揺したら、子どもはますます不安になります。

 

悲しいことや腹が立ったことを子どもか話してきたら、「それは悲しいね」「それは腹立つよね」と共感しつつも、「たいしたことじゃない、気を取り直していこう」といった雰囲気を醸し出すことが大切です。あなたのどっしりした安定感が子どもの支えになるのです。

 

【わが子を信じる】

 

心理学で「ピグマリオン効果」というものがありますが、これは、人は相手(周り)が期待するような人間になっていく、というものです。誰でも人からどう思われているかには敏感です。ちゃんとやる子だと思われていると、いい加減なことはしにくくなります。どうせいい加減なヤツだと思われていると、適当に手を抜いてやろうという気持ちになります。

 

子どもは特に、大きな存在であるお母さんからどう思われているかに敏感です。あなたが心配しすぎると、それに応えて心配をかける子になっていきます。あなたが信頼していると、それに応えてしっかりした子になっていくのです。

 

【お母さん自身のストレスを解消する】

 

人はストレスを溜め込んでいると、ちょっとしたことでイライラして怒ったり、すぐに気持ちが沈んで泣きたくなったりします。ストレスは感情反応を生みやすいのです。お母さんが感情的な反応を示せば、子どももすぐに怒ったり泣いたりと、感情反応を示しやすくなります。

子どもの気持ちを安定させるには、あなたの気持ちが安定していることが不可欠です。そのためには、自分に合ったストレス解消法を身につけておくことです。趣味の時間をもつ、適度な運動をする、カラオケで思い切り歌う、気心の知れた友だちとお喋りをするなど、あなたなりのストレス発散を心がけましょう。

 

榎本博明(えのもと・ひろあき)

MP人間科学研究所代表。1955年、東京大学教育学部教育心理学科卒業。心理学博士。心理学を活かした教育の講演やビジネス研修などを行う。著書に『「自分はこんなもんじゃない」の心理』(PHP研究所)他多数

 


 

のびのび子育て

「PHPのびのび子育て」は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌。2015年5月号の特集は<「すぐ泣く子」「暴れる子」が変わる魔法の習慣>です。

 

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