どうしてうちの子は......そんな思いにとらわれてしまうことはありませんか。少しだけ視点を変えれば、子どもともっと笑顔で向き合えます。

 

子ども

 

認めることが、笑顔への近道

「育てにくい子」には 「いいところ」がいっぱいある

 

子育てに悩みはつきものです。特に母親は、子どもと一緒にいることが多いだけに、日々の中で悩んだり困ったりすることがたくさん出てきます。「片づけをしない」「偏食がある」「言葉が遅い」「友だちが少ない」「約束を守らない」など、数えたらきりがないでしょう。

ただ、それらの悩みは「まあ、いいか」で済むものが多く、自分次第で気にならなくなったりすることもあります。でも、たとえば「落ち着きがなく、少しの時間もじっとできない」「荒っぽく、すぐに手が出る」といった悩みは、他人に迷惑をかけたり、危険が伴ったりすることが多いため、「まあ、いいか」で済まされず、お母さんは子どもから目が離せなくなります。さらに「何度言ってもわからない」「注意してもすぐに同じことをする」ような場合は、お母さんは本当に疲れます。

子どもは誰でもそんなものだろうと思っていたのが、他の子はそこまでひどくはないことがわかり始める3歳頃、そうした悩みは最も大きくなります。「育てにくさ」といったものを感じ始めて、「あら? もしかしてうちの子、少し変?」とまで思うお母さんも出てきます。

でもそれらはお子さんの1つの個性です。そういうお子さんのお母さんには、苦労や困ることが確かに多くやってくるかもしれませんが、その個性をむしろ楽しみながら子育てをしてほしいと思います。

 

育てにくさを感じて……

 

こんな不安や悩みを、あなたは抱えていませんか。

 

・ 将来、大丈夫かしら

・友だちがちゃんと

・できるかな

・子どもを叱ってばかりで、

・自分がイヤ

・どうして、他の子と

・こんなに違うの

・ 私のしつけ方が

・悪いのかしら……

 

こうした思いも、受け止めていきましょう。

 

困った子、育てにくい子と感じていい~ありのままを認めよう~

 

子育てがうまくいくコツを1つあげるとすれば、私は「ありのままを認めること」だと思っています。仮にお子さんが、自分を困らせることばかりする子どもだったとしても、その姿を丸ごと受け止め、認めるのです。そして、そんな子どものことを「困った子ども」「育てにくい子ども」と思ったなら、その気持ちも認めましょう。子育てがうまくいかない現状も、すべて丸ごと認めてほしいと思います。

 

笑顔の子育ては認めることから始まる

 

一番よくないのは、否定をすることです。子育てでなくても、否定をすると出てくるのは不平や不満です。お子さんのことを否定的な目で見てしまうと、子どもを叱ることばかりが増え、自分もしんどくなってしまいます。でも、認めるとあら不思議。笑顔が出てきます。「笑顔の子育て」とよく言われますが、それは認めることから始まるのです。

認めるのは簡単です。子どもへの見方や視点をほんの少し変えるだけでいいのです。するとすべての景色が大きく変わっていきます。

 

視点を変える2つの方法

 

・決して悪気はない。「心のままに動いただけ」と思おう

 

子どもは「こうしたい」と思ったことを、すぐに実行します。「触りたい」と思ったら触り、「暴れたい」と思ったら暴れます。「笑いたい」と思えば笑うので、子どもはお葬式でも笑います。悪気はないのです。

「でも、ちょっと我慢しよう」という自己統制力が年齢とともに身につきますが、その力は弱い子どもと強い子どもがいます。その違いは、5歳くらいまでは本人の努力よりも、生まれつきのものであることが多いもの。「わが子は弱いほう」と思えば、「1つのことを丁寧に何度でも伝える」ということをやってみましょう。

 

・夫婦から生まれた、その“個性”を楽しもう

 

子どもは十人十色。それぞれに個性があります。「じっとしていない」「攻撃性がある」なども立派な個性です。親にすれば幾分困ったものであったとしても、それがどこから来たかといえば、100%パパ・ママからの遺伝です。

個性の“製造元”は親で、子どものその個性を否定すれば自分たちを否定することになります。夫婦から生まれたかわいいわが子のその個性の中に自分を見出し、むしろ楽しむくらいでいると、子どものことを見る目も変わっていきますよ。

 

“ないもの探し”をせず、“あるもの満足”で子育てを

 

どんな子にも、数えきれないほどの「いいところ」が必ずあります。そのことに気づけたら、笑顔の子育てはすぐそばです。

 

保育士時代、多くの子どもたちと接してきて一番感心したことは、「子どもは“ないもの探し”をせず“あるもの満足”をする」ということです。たとえば、夏のプール遊びは6畳ほどの狭いプールに20人くらいが入るのですが、「狭いね」「泳げないね」などと不平や不満を言うのは大人ばかり。子どもからは1つも文句が出ないどころか、ずっと笑顔で楽しんでいます。

子どもは、自分に与えられた環境がどんなに過酷なものであっても、その中に必ずある“笑顔のもと”を探し、それを楽しむのが習慣になっているのです。プール遊びでも、「水が冷たくて気持ちいい」「友だちとぶつかったらそれも楽しい」と楽しい部分を味わい、狭いことなんて気にしないのです。雨が降っても、決して文句は言わず、長靴を履けたり傘を差せたりすることを喜びます。人に対しても同じで、親でも先生でも、「困ったところ」より「いいところ」を見るので、必ず大好きになります。

 

“不満点探し”から始めるのをやめよう

 

反対に私たち大人は、自分の前にあるものに対して、さっきのプールのようにまずは“不満点探し”から入ります。「暑い!」「寒い!」と自然にまで文句を言います。子どもに対しても、「困った点」や「問題点」ばかりを見つめ、つい小言の毎日になってしまってはいないでしょうか。

確かに、子どもは「困ること」をよくします。親から見て、「困った性格」だと思うこともあるでしょう。でも「困るところ」ばかりを見ないで、「いいところ」を見るようにしてみてください。すると、「心が優しい」「とても気が利く」「いつもいい返事をする」「きちんと挨拶ができる」「もの覚えが早い」「食事を残さず食べる」……など、他のお母さんがうらやむような良い点が、もう無数に見つかるのではないでしょうか。

子どもたちが毎日あれだけよく笑うのは、いつも“あるもの満足”で生きているからです。わが子のことはもちろん、すべてのものを「あるもの満足」の目で見ながら生活をすると、きっと毎日を笑顔で過ごせますよ。

 

【著者紹介】

原坂一郎 (こどもコンサルタント)

関西大学社会学部卒業後、独学で保育士資格を取得。23年間にわたる保育所勤務を経て独立し、現在は、保育・子育ての講演・講座・研修を精力的にこなす。著書に、『日本一わかりやすい 男の子の育て方の本』(PHP研究所)など多数。

 

 


 

のびのび子育て

「PHPのびのび子育て」は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌。 2017年月12月号の特集は<親の関わり方しだい!「困った子」「心配な子」ほど大きく伸びる!>です。

 

年間購読のご案内

「子どもをつれて買い物に行くのは大変…」「ついつい、買い忘れてしまう」 そんなあなたにおすすめしたいのが、年間購読。毎月ご自宅へお届けします。送料無料。 年間購読のお手続きはこちらからどうぞ