できなかったときの「励まし言葉」できたときの「絶品ほめ言葉」
親の言葉には、力があります。子どもが落ちこんでいるとき、また喜んでいるとき、どんな言葉をかければ気持ちが伝わるのでしょうか。
※本稿は『PHPのびのび子育て』2018年1月号から一部抜粋・編集したものです
井戸ゆかり(東京都市大学人間科学部教授)
青山学院大学卒業。大妻女子大学大学院博士課程修了。学術博士。東京都市大学人間科学部児童学科教授、横浜市子育てサポート研修講師、渋谷区次世代育成支援地域協議会会長などを務める。著書に『子どもの「おそい・できない」にイライラしなくなる本』(PHP研究所)ほか。
いつでも親の言葉を待っている
子どもは、周囲の大人の言葉がけにより、「よし、がんばろう!」「やってみよう!」と思ったり、「どうせ、できない!」「自分はダメなんだ!」と思ってしまったりすることがあります。とくに幼児期は、お母さんの言葉の力は大きいものがあります。
誰でも、何かにチャレンジしてできなかったときには落胆することと思います。そのときに、子どもが「できなかった」とあきらめてしまうか、「またやってみよう」と思うかは、お母さんの言葉がけ一つで左右されると言っても過言ではありません。
できなかったときもプロセスを認める言葉がけを
子どもにとって、自己肯定感(自分を大切にする気持ち、長所だけでなく短所を含め自分自身を認められる気持ちなど)がもてるかどうかということはとても大切で、お母さんをはじめ、周囲の人の言葉がけが大きく関与しています。
自己肯定感がある子どもは、情緒が安定して意欲もありますが、自己肯定感が育っていない子どもは、自信がなく、情緒も不安定になりやすくなります。
自己肯定感は自分ひとりで獲得することはなかなか難しく、周囲の人の子どもを認める言葉がけ(肯定的な言葉がけ)や励ましによって獲得することができます。
親は、子どもの「できる」「できない」に目を向けがちですが、結果だけに目を向けるのではなく、たとえできなかった場合でも、「がんばったね」などと、そのプロセスを認める言葉がけをすることで、子どもは自己肯定感を高め、「またチャレンジしてみよう」と思うことができるのです。