「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方

東ちひろ

いまからでも遅くない

私は、子どもへのかかわりは、幼いころのほうが子どもの変化が早く現れると感じています。例えば、家を作るときには、基礎工事をした上に家を建てなくては、いくら鉄骨の家を建てたからといって、すぐに傾くのが目に見えています。

しかし、子育てには遅すぎることはないのです。書店には、「子育ては三歳までが大切」「十歳までに子育ては決まる」という本が並んでいます。

しかし、子どもが思春期になってからでは手遅れだとしたら、小学校の高学年の先生や、中学校の先生は、すでに手遅れの子どもの相手ばかりをしていることになります。

いくら頑張っても子どもは変わらず、無駄なことをすることになってしまいます。また、大人が自分を変えたいと思ってコーチングやカウンセリングを受けても、何も変わらないということになってしまいます。

しかし、そんなことはありません。過去の子育てを悔やむよりは、いまできる一番いいと思うことをやっていきましょう。親子関係は人間関係の一つのかたちです。人聞関係は、こちらのかかわり方が変われば、必然的に相手の反応も変わっていきます。むしろ、何も変わらないほうが難しいのです。気がついたときが吉日です。

 

【東ちひろ(ひがし・ちひろ)】
幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、現在は「東ちひろマザーズセラピー」を主宰。上級教育カウンセラー、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、(財)生涯学習開発財団認定コーチ。心理学とコーチングを使った独自のアプローチ方法で、お母さんと先生のための電話相談を行ない、これまでに1万件以上の実績がある。相談を受けた93%の子どもが状況の改善をし、不登校児童・生徒の75%が完全に学校復帰をしている。子どものタイプに合わせた即効性のあるアドバイスは、クライアントから「たった1回のアドバイスで、言うことを聞かない子どもが”やる気”になった」「怒ってばかりだった自分が信じられないほど”穏やか”になった」と好評を得ている。講演会・執筆活動にも精力的に取り組み、ホームページやブログ、メールマガジンでは、お母さんと先生に役立つ情報を発信し続けている。1男1女の母。

著書に『子どもが伸びる! 魔法のコーチング』(学陽書房)、『男の子をぐんぐん伸ばす! お母さんの子育てコーチング術』(メイツ出版)、『スペシャリスト直伝! 教室で使える! ほめ方・しかり方の極意』(明治図書出版)。

東ちひろホームベージ  http://www.kosodate-up.com/
東ちひろプログ  http://ameblo.jp/kyouikucoaching/

「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方(PHP研究所)
「いい加減にして!」「うざい!」――修復不能な親子関係に陥らないための子育て法。具体的な対応を知りたいお母さんへ、子育てコーチングのプロが出し惜しみなしで解説しています。