子育てで親がもっておきたい「3つの余裕」
親が余裕をもてれば、子どもへの対応も変わってくるというお母さん。どうすれば余裕がもてるのでしょうか。
※本稿は、東ちひろ著『「やればできるのに」を「できた!」に変えるお母さんの魔法の言葉』(PHP研究所)の中から、一部を抜粋・編集したものです。
東ちひろ(ひがし・ちひろ/一般社団法人子育て心理学協会 代表理事)
幼稚園・小学校教員、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、「東ちひろマザーズセラピー」を主宰。その後「子育て心理学協会」を立ち上げ、代表理事を務める。社会人(女)・社会人(男)の二児の母。教育に携わって30年、今まで相談を受けた子ども・保護者・学校の先生の数は、2万件以上、改善率93%、学校復帰率75%。著書多数。
東ちひろホームベージ 東ちひろプログ
持っておきたい「3つの余裕」
「自分に余裕があるときには、子どもにつき合うことができるのですが、余裕がないと怒りが爆発してしまいます」。
この言葉は、本当に多くのお母さんが言われることです。
ひと口に「余裕」と言いますが、余裕には「時間の余裕」「心の余裕」「体力の余裕」があります。この3つの余裕をいかにしてもつのかについてお伝えします。
1.時間の余裕
子どもが生まれると、お母さんは大忙しになります。育児という”オシゴト”と、家事という”オシゴト”のふたつを両立しているのが、子育て中のお母さんです。さらに外で仕事をしている人は、いくら時間があっても足りないと思われることでしょう。
効率的に育児と家事をこなそうとすることはすばらしいことだと思いますが、やることがあまりにも多くて、家事も育児も完壁にしょうとすると、いずれは限界に直面します。
「時間の余裕」は、がんばって時間をつくり出したり、睡眠時間を削ったりするのではなく、上手に家事を手抜きし、夫を子育てに巻き込むほうがいいと思います。
たとえ子育てが一段落したとしても、女性の人生は忙しいものです。子どもが大きくなったら、外の仕事に出ることや、親の介護をすることも充分にありえます。
この機会に、インターネットを活用して買い物や銀行振込をしたりして、少しでも自分が動かずにすむ方法を考えてもいいのではないかと思います。
また、「うちは夫が頼りになりません」というお母さんもいるでしょう。
何事も、たくさんの量をこなした人のほうが上手になる確率が高いものです。一般的には、お母さんのほうが子どもと関わる時間が長いので、お母さんのほうがお父さんよりも子育ての腕が上がりやすいのです。つまり、お父さんに指示・命令をするよりも、上手に任せて子育てに巻き込んでいくほうがいいでしょう。
お母さんの子育ての様子をお父さんに見せておき、その後、「公園で遊ばせてほしい」「抱っこをしてほしい」と具体的にリクエストします。
そうやって、お父さん自身の子育ての腕を上げてもらい、お母さんの「時間の余裕」をつくるようにしましよう。