「ダメ!」が口ぐせになってない? 子どもを納得させる親の一言

堀田秀吾

お悩み2. スーパーで突然、走り出す

子どもは、ときに衝動的に動くことがあります。つい、大声で叱りがちですが、どう声かけすれば、子どもの行動を制することができるのでしょうか。

【言いがちフレーズ】
走っちゃダメ!

【おすすめフレーズ】
ぶつかると危ないよ。周りをよく見て、ゆっくり歩こう

幼稚園にお迎えに行ったあと、スーパーでお買い物。リオちゃんとママが買い物をしていると、お店の向こう側にお母さんと一緒に来ていた幼稚園のお友達を見つけました。

「あ、あれサナちゃんだ!」
急に走り出したリオちゃん。
「ちょっと、リオちゃん待って」
店は夕方とあって、買い物するお客さんで込み合っています。

<解決策>なぜダメか、理由の説明から始める

子どもにとって、スーパーはお出かけだし、空間は広いし、彼らの興味を引くものがたくさんあるし、テンションも上がりがち。ついつい店内を走ってしまいたくなる気持ちもわかります。

ほかのお客さんにぶつかったり、お店の品物を傷つけたりして迷惑をかけてほしくない気持ちが先走って、ついつい、言いがちフレーズのように、「走っちゃダメ!」と、伝家宝刀の「ダメダメ」攻撃をしてしまいます。

一方、おすすめフレーズは、まずはどうして走るのがいけないのかを説明しています。そのうえで、「ダメ」と否定したり、こうしなさいと命令するのではなく、「~しよう」とLet’s型の提案をすることで、子どもに受け入れやすくしています。

欲を言えば、親の言う通りにするとどんなメリットがあるかを言ってあげるとさらにいいでしょう。

「ごほうび」は、人間のモティベーションを高める最良の方法の一つです。ごほうびと言っても、何かを買ってあげるわけではありません。脳の報酬系と呼ばれる部分の活動が活性化するようなもの、つまり、「ママと一緒に遊べるよ」などと嬉しいと思えるようなことがらであれば大丈夫です。

「してほしいこと」を伝える

子どもには「してはダメ」ではなく「してほしいこと」と「その理由」を伝えるようにするといいみたいです。ゆっくり歩いてほしいことと理由を口に出してあげると、子どもも理解しやすくなります。

「歩いてね」と伝える際に公共の場ではどうするべきか、ちゃんともう一度教えておきたい。周囲の目があるのでつい、厳しい口調で叱りがちなところだけれど、親も落ち着いて慎重に行動することの重要性を伝えてあげたい。

【もっとやる気にさせる応用フレーズ】
・リオ(名前を呼んで振り向かせて)よく見て歩こうね
・ゆっくり歩いたほうが、サナちゃんを見つけられるようになると思うよ