親の言葉が子を幸せにする!わが子にプラス言葉のシャワーを

金盛浦子

幸せ言葉で幸せ家族に!

いくらお母さんが、自分を抱きしめ、子どもを抱きしめようとしても、家庭の中がギスギスしていたのでは、プラス言葉だって出てきません。

プラス言葉がたくさん生まれてくる家庭は、まず夫婦仲がよいことが必須。子どもは夫婦の愛の結晶ですから、もし両親に喧嘩が絶えなかったら、自分の存在そのものに対して否定的になってしまいます。

次に大切なのは、「おはよう」から始まって「おやすみ」までのあいさつ。夫婦はもちろん、子どもと親、子ども同士、親同士のあいさつがたくさん飛び交っている家庭は、プラス言葉の宝庫です。

この場合も、まずしっかりしたいのは夫婦のあいさつ。つい、ないがしろにしがちですが、これがしっかりできていると、自然に家庭全体に広がります。

それから、おじいちゃん、おばあちゃんの存在も大切です。最近は、いくじい、いくばあなどという言葉もあって、祖父母の育児参加が増えています。でも、あまり深入りしてもらうのは考えもの。親と子どもの間の緩衝材になってくれるくらいがちょうどよいのです。

【幸せ言葉が多くなる家庭の条件】
・夫婦仲がよい→子どもが自分を肯定できる
・あいさつが飛び交っている→プラス言葉が、子どもに広がる
・祖父母のほどよい存在感→ほどよい関わりで親子間のクッションに

実例 幸せ言葉でガミガミ激減

ギスギスしていた家庭が、祖父母の来訪をきっかけに、幸せ言葉が広がり、好転しました――。

Nさんのお宅は、小学6年生のお姉さんと2年生の弟の4人暮らし。Nさんは英語塾の先生で、ご主人は大手企業に勤める商社マンです。毎日帰宅が遅く、子育てや家事のサポートがほとんどない夫に、Nさんのイライラはつのるばかり。そんな状況の中で、上の娘さんが不登校になってしまいました。家の中の会話も、あまりない状態でした。

「とにかく朝食だけでも、家族そろって食卓を囲むようにしてみたら?」

そんなアドバイスをしましたが、なかなか実行できません。そんな折り、Nさんのご両親がしばらくの間、遊びにいらしたのです。子どもたちにとっては、おじいちゃんとおばあちゃんです。これが好転のきっかけでした。

まず朝食ですが、祖父母がそろう食卓がにぎやかになりました。そうするとご主人も都合をつけて同席する機会が増え、おじいちゃん・おばあちゃんへのあいさつがよい刺激になって、みんなが明るくあいさつを交わすようになったのです。

Nさんがイライラを子どもたちにぶつけてしまったときは、おじいちゃんやおばあちゃんが間に入ってなだめてくれることで、子どもたちの気持ちも楽になったのです。気がついてみると、Nさんのガミガミは激減。娘さんの不登校も解消していたのです。