子どもを勇気づける とっておきの言葉2
子どもに愛を伝えることの大切さを忘れていませんか? 愛を注ぎ、自信や希望、喜び、安心感を与える大事な言葉。金盛浦子先生の『子どもを勇気づける とっておきの言葉』は、子どもが明るくのびのび育ち、子育てに勇気がわく一冊です。本書からの抜粋を、3回連載でご紹介する第2回です。
※本稿は金盛浦子著『【新装版】子どもを勇気づける とっておきの言葉』から一部抜粋・編集したものです
金盛浦子(東京心理教育研究所所長)
1937年生まれ。心理カウンセラー。小学校教諭を務めた後、大学病院などで心理臨床経験を積み、’78年に東京心理教育研究所を開設。’90年より自遊空間SEPYを主宰。著書に、『伸びる子の9割は、「親の口グセ」で決まる』(PHP研究所)など多数。
子どもにとっての無上の喜びとは
「あなたが初めてひとり歩きした日の感激。お母さんは生涯忘れないよ」
子どもは、自分が小さいころの話を聞くのが好きですね。
お母さんから「あのとき、あなたはね…。…で、そりゃあかわいくて…」と聞かされると、うれしさで一杯の表情をみせてくれます。年齢が進めばはにかむかもしれません。照れかくしのゆえか「またかよ…」と不機嫌そうに装うかもしれません。
それでも、まさに目に入れても痛くないほどにかわいがられ愛しまれた時代の話を聞くのは、子どもにとって無上の喜びのひとつなんです。
初めてひとりで歩いた日。初めてひと言、言葉らしい声を発した日。初めてトコトコ駆け足した日。初めて「ママ」と呼びかけてくれた日。
お母さんにとって、どの日も生涯忘れられない思い出の日ですね。
子どもは、その日のことを覚えてはいません。覚えていないだけに、聞きたいのです。聞きながら、そのときにどれほど自分が喜ばれていたか、愛されていたかを心に刻みたいのです。お母さんの喜びの思い出を、自分の喜びに織りなおして、心の宝箱におさめたいのです。
「このときのこと、覚える?」
アルバムをくりながら、あるいはビデオをながめながら「ほら、かわいいね」と語ってあげてください。
「よしてよ! いつまでも赤ん坊じゃないんだからね」
子どもは抗議するかもしれません。けれど、それでも、顔のどこかがゆるんでいますね。喜んでいます。愛されてきたこと、愛されていることを感じるからです。
【新装版】子どもを勇気づける とっておきの言葉(PHP研究所)
強く優しい心をはぐくむためには、親がどんな言葉をかけるかが、非常に重要になります。子どもが明るくのびのび育ち、子育てに勇気がわく一冊です。