公園でお友だちとケンカしたとき…人前での言い聞かせ
子ども同士で遊ぶとなると、ケンカはつきものです。そういう場面こそ、経験や失敗を重ねながら、どうすればよいかを学ぶ大事な場面。
そんな時、親として子どもにどのような声掛けをすればいいのでしょうか。法政大学文学部心理学科教授の渡辺弥生氏著『人前での叱り方・言い聞かせ方』の一節より「伝え方のコツ」をご紹介します。
※ 本稿は『人前での叱り方・言い聞かせ方』(PHP研究所)より、内容の一部を抜粋・編集したものです。
渡辺弥生(法政大学文学部心理学科教授)
筑波大学、静岡大学を経て現職。教育学博士。育児に不安を抱える保護者のカウンセリングや家庭教育講座などの講師も務める。著書に、『子どもの「10歳の壁」とは何か?』(光文社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など多数。
公園でお友だちとケンカ
子ども同士で遊ぶようになれば、ケンカはつきものです。いくらお母さんが「順番こで遊ぶのよ」と言っても、完壁に守れるはずはありません。子どもはケンカを重ねて何度もいやな思いをすることで、「ルールを守ったほうが楽しく遊べる」ということがわかるようになるのです。そう覚悟をしておくと、少しは気が楽になりませんか?
ケンカが始まったときは、相手の親に気を遣って一方的に子どもを悪者にしたりしないことです。「謝りなさい!」と頭ごなしに叱るのではなく、「どうしたの?○○ちゃんのスコップを貸してほしかったんだね」と、まずは気持ちを受け止めてあげましょう。ケンカ中の子どもは興奮状態にあるため、落ち着かせることが先決です。
そのあとで「そういうときは『貸して』って言うといいよ」と、その場その場でルールを教えていきます。子どもが落ち着かなければ、お母さんが代わりに謝って、いったんその場を離れましょう。
親同士も、「こういうときって、2人とも落ち着かせて、仲直りのしかたを教えてやりたいですね」「ごめんなさい、ちょっと興奮冷ましてきます」など、ざっくばらんに思いを相手に伝えて行動するといいですね。
【事前の準備や対処法】
・頭ごなしに叱らず、「どうしたの?○○したかったんだね」などとまず子どもの気持ちを受け止めてクールダウンさせる
・子どもが大泣きして収集のつかないときは、お母さんが代わりに謝ってその場を離れる
・仲のよい親同士なら、子どもがケンカしたときの対処法を事前に話し合って共有しておく
「うるさい!」「やめなさい!」と怒鳴る前に 人前での叱り方・言い聞かせ方(PHP研究所)
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