危険な事を教えるには? ~子育て相談室
子どもが危ないことも真似するようになった時、どのように接すればいいのでしょうか?日本ベビーコーチング協会理事の斉藤孝子さんが、子育ての悩みに答えます。
※この記事はWEBサイト「PHP INTERFACE」に掲載されたものです。
斉藤孝子(さいとう・たかこ/日本ベビーコーチング協会理事)
1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。
危ないいたずらをするようになった娘
1歳3ヶ月になる娘がいます。だんだんといたずらをするようになってきて、最近では私の真似もするようになってきて、かわいい反面、危ない事も真似するようになってきていて、しつけの方法に迷ってしまっています。
一番危ないと感じるのは、ガスレンジのつまみをひねろうとする事です。子育て経験の豊富な姉に相談したところ、「手をピシリとたたいて叱るしかないよ」と言われました。
私も娘に危ない事をわかって欲しいので、説明しつつピシリとたたいてしまいます。小さな小さなその手をたたく時、本当につらいです。
しかも、一度ではわかってくれず、試すかのようにその後も何度かひねろうとし、そのたびに叱らなくてはなりません。最後の方はたたくのがつらいので、手をギュッと握って説明します。
それをもう、何日間も繰り返しています。本当にこれで、危険な事を伝えられているのか心配です。きっと、忍耐強く教えるしかないのでしょうが、叱るとおどおどした目つきになる娘を見るのがつらいのです。
危険な事を教えてあげるしつけで、適切な方法などあるのでしょうか。
(30歳、女性)
斉藤孝子先生からのアドバイス
今は、いたずら全盛期ですね。子どもにとってこのいたずらは、好奇心や探究心の現れです。思わず笑ってしまういたずらもあれば、命にかかわる危険いっぱいのいたずらもあります。
あまり駄目駄目と言っていると、大切な芽をつんでしまうことになりますが、お母さんのご質問のような、危険ないたずらに関しては、絶対に阻止しなくてはなりません。
まず、安全対策はしていますか。安全ロック機能が付いているものは、ロックを必ずしてください。また、ロックがない場合は、その都度元栓を締めるようにしましょう。お母さんが、使用している時は、絶対にその場から離れないでくださいね。
次に、「手をたたく」という行為ですが、口で言ってもわからない時、危険が生じ、言葉をかける余裕がなく間に合わないときなどは、体で覚えさせなくてはならないでしょう。
本来は、手を持ち、目をしっかり見て、いけないことはいけないと真剣に叱り続けていく中で、わかってもらいたいですよね。
しかし、この年齢は、真剣に話しても、すぐには理解できずに繰り返してしまうことも多くあります。そんな時は、「手をたたく」行為も仕方ないでしょう。
お母さんの根気が必要です。何事もしつけるまでには、100回と言われているように、3ヶ月はかかると思ったほうが良いかも。
でも、それで、親子関係がくずれるということは絶対にありえません。お母さんのメールからお子さんに対する愛情をいっぱい感じます。だから大丈夫!
叱ることはつらいですよね。でも、お子さんのためです。お子さんは、きっと、わかる日がきますから、愛情を持って、心から接してくださいね。