やってませんか? 子どもを算数嫌いにさせる「親の教え方」
日能研の調べによると、1986年には8.5%だった受験率(小6卒業生数517,000人のうち受験者は44,000人)が、2014年には19.0%(小6卒業生数303,594人のうち受験者は57,700人)となっている。子どもの数は減っているが受験者は増えている、そんな状況だ。
中学受験において絶対に避けられない教科が国語と算数だ。特に算数でつまずく子どもが多く、学研教育総合研究所の2013年の調査によると22.9%の小学生が「算数が嫌い」と答えているという。
そんな算数の重要性、勉強のやり方について警鐘を鳴らしているのが、『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版刊)の著者で志進ゼミナール塾長の小杉拓也先生。
本書は、小学校1年生から6年生までの算数の教科書の内容を128ページに凝縮してまとめた一冊だ。2015年に発売され、現在40万部を超えるヒットとなっている。さらには子を持つ親だけでなく、ビジネスパーソンにも売れているのだという。そんな小杉先生に、お話を伺った。(記事提供:本の要約サイト「flier」)
※本記事は、小杉拓也著『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本』 『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる問題集』(かんき出版) より一部を抜粋編集したものです。
算数は受験では絶対外せない教科
小杉先生も学生時代、算数・数学が苦手な生徒だったという。塾の講師として算数を教える機会が増え、算数のつまずきポイントがだんだん分かってきたそうだ。
「算数が苦手な生徒は、過去の自分を見ているようでした。苦手な生徒の気持ちがよくわかるので、上から教えることをせず、根気強く教えましたね」(小杉先生)
算数は他の教科と違って、「分からないことが多い状態」になることが多い。それが嫌いに繋がるそうだ。
「算数は“積み重ね”の教科なんです。1ケタどうしの計算→筆算→小数→分数…と進んでいきますが、前のことが分かっていないと先に進めないんですね。分からない部分だけを教えるのではなく、つまずいている場所にまで戻らないと先は理解できない教科なんです。」(小杉先生)
とにかく「基礎」が大事だという。特に自分のレベルに合わない難しい問題集を選ぶのはNG。基礎をすべて理解してから次のレベルに、と1段階ずつ上がっていかないと成績が上がらない教科なんだそうだ。
「とにかく背伸びをしないことです。私も高校まで算数・数学が苦手でしたが、基礎ができていないことを認めてから一気に状況が変わりました。高校の教科書を1から勉強したんです。根っこの部分をしっかり作らないと木は大きく育たないんですよね」(小杉先生)