「ほめちぎる」と子どもは変わる!

岩立京子
2023.03.29 15:06 2023.03.23 15:03

高い高いをする父と子

「ほめすぎると甘やかしになるのでは?」と気持ちを抑えてしまうあなた、もったいないですよ。幼少期に溢れるほどの愛情を注ぐことは健全な成長に必須なのです。

※本稿は、『のびのび子育て』2012年10月号から一部を抜粋し、編集したものです。

岩立京子(いわたて・きょうこ、東京学芸大学教授)
東京学芸大学教育学部卒業。専門は発達心理学、幼児教育。乳幼児期の発達やしつけなどについて研究している。1男1女の母。著書に『いい母は、いい子をつくれない』(経済界)などがある。

120%でほめて!もっと絶賛していいのです

親は「子どもをほめること」が、頭ではとても大切だと思いながらも、実際は、毎日叱ったり、ぐちったりしてしまうものです。

わが子の成長とともに、他の子との比較などを通して、親はわが子への要求や期待のレベルを上げるので、すごくよくできたときしか、ほめられなくなったりします。もっと小さい頃は、「ボタンがはめられたね」「お野菜が食べられたね」とことあるごとにうーんとほめていたのに。

また、親子は普段、一緒に暮らすなかで遠慮がなくなったり、互いに気を遣わなくなり、「できて当たり前」の関係になりがちです。

家族のなかで、互いにほめることや感謝することが少なくなるのはそのためです。他人の子どもはほめやすいけれど、家庭で親がわが子をほめることは、案外、難しいことなのです。

ほめられた経験は、大人になってからも支えになる

笑顔の子どもと親

でも、人の成長には、ほめられることが不可欠です。

ほめられることで、「自分はこれでいいんだ」「自分はやればできるんだ」「自分って案外すごいかも!」など、自己肯定感や自信、自尊心などが芽生え、やがて大人になって、ほめられる機会が減っても、また、失敗やを経験しても、前向きに自信をもって歩んでいけるようになるのです。ほめることは、心の成長の一番の栄養なのです。

親も、毎日毎日ぐちっているより、子どもの良さを探し、ほめるほうが、いい気分で過ごせるでしょう。だから子どもをどんどんほめちぎりましょう。

そのとき、子どもが照れて、「それほどでもないよ!」などというかもしれませんが、心の中ではうれしいはずですから。

こんなとき、どうほめる?子どもが初めてコマを回せたとき

<ほめる>
「ほんと!? よかったね、まじめにやればできるじゃない」と子どもを見て言う。

<ほめちぎる>
「回せた!? やったね!!」と、微笑んで子どもにVサイン!
「ひもコマってむずかしいのに、すごいね」

【Point】

どんな表現でも、子どもは親からほめられるとうれしいものです。

でも、親の立場で合格点に達したことだけを評価してほめるよりも、子どもの立場に立って子どもの喜びや驚きに共感し、微笑む表情や動作をするとともに、子どものそれまでの努力(やり方)を認めたり、できた行動の価値を伝えるようにほめちぎると、もっとうれしいかもしれません。