「早く!」をやめると自分でできる子が育つ

河井英子
2023.03.29 13:46 2023.03.23 15:57

「早く」と言うと子どもはこうなります!

見上げる女の子

何気ないひと言が、子どもの興味や関心、やる気をそいでしまうことがあります。

・結果のみにとらわれ”自分なりに工夫しない子”になる
子どもは自分のペースを乱され、先を急がされると、じっくり考えたり、自分なりに工夫したりすることをしなくなります。「何でもいいから早く終わらせてしまおう」「やってしまえばいいんでしょ」というような気持ちを助長することになります。

子どもは、本来ちょっと寄り道をしたり、周りに注意を惹かれたりしながら、関心を広げ、工夫する知恵を身に付けていくものです。少しのゆとりは、決して無駄な時間ではありません。

・言われなければしようとしない”指示待ち人間”になる
「今やろうとしたのに、お母さんが言うからやる気がしなくなった」。これは小・中学生の口ぐせです。

このセリフは少し理屈っぽく成長した子どもの言い分ですが、結局、子どもが何かに取り組む前にお母さんからの指示があるということです。親が口出しばかりしていると、子どもは自ら考えて行動することをやめてしまいます。

大人から見ると、子どもの行動は本当にじれったいですが、でもそこをぐっとこらえて、子どものペースと自主性を重んじていく必要があります。

お母さんが子どもに「早く!」を強要する理由は、子どものためというより、お母さん自身の都合や必要性から発せられていることが多いもの。まずは、そのことを心に留めておきましょう。

もちろん、子どもが親の期待通りに動いてくれるのは大変好ましいことではあります。でも子どもには子どものペースがあり、お母さんの都合に合わせられないことも認めなければなりません。

■早さより「丁寧にできること」を大切にして

服を畳む子

また、早くできることより、少し時間がかかってもきちんと丁寧にできることのほうが、大切な場合が多いのも確かです。子どもには、結果のみを期待するより、その過程を大事にする姿勢を身に付けさせたいものです。

子どもに「早く!」を強調しすぎることのデメリットを改めて考えてみましょう。