「早く!」と「ダメ!」は子どもの可能性をつぶすNGワード

河井英子

「ダメ!」ばかり言っていると、こんな子になります!

・「自信のない子」に
子どもが何かをしようとする時に、「それはやってはダメ!」と制止したり、否定してしまうと、子どもは自信を失い、自分から物事に向かっていけなくなります。親の顔色をうかがいながらしか動くことができなくなってしまうでしょう。

・「無気力な子」に
「ダメ」と言われ続けていると、子どもはだんだん何事にもやる気を失っていきます。「どうせ自分はダメなんだから、やってもしようがない」と思い、やる前から諦めるようになるのです。そしてついには、自分から何かに取り組むこと をしなくなります。

・「好奇心や周りへの関心が薄い子」に
本来、子どもの興味や好奇心は大人の目のつけ所とはまったく違っていたりします。その中から知識を広げたり、新しいことに挑戦したりしていくものです。それをすぐに「ダメ」と止めていると、周りへの関心や、新しいことへの興味が薄れてしまいます。

ガミガミを封印する親の心得

少し視点を変えて肩の力を抜くことで、子育てがもっと楽しくなり、子どもの可能性を伸ばしていけるようになります。

少し自分を振り返ってみましょう

今日1日何回「早く!」と言ったでしょうか?「ダメ!」と注意したでしょうか? でもその割に、子どもはちっとも早く動いてくれず、ダメと言ったことを止めもしなかったのではないでしょうか? それは、あなたの言葉が子どもに届いていないということです。

つまり意味のない言葉をいくら繰り返しても、無益と言えるでしょう。

お母さんとしては言わないよりはいいと思われるかもしれませんが、意味のない言葉をかけるほど、子どもに対するお母さんの言葉の力は弱くなってしまいます。親の言葉の重みを増すためには、無駄な言葉は控えたほうがいいでしょう。

子どもにかけている自分の言葉の効果、きちんと伝わっているかどうかを、少し振り返って考えてみてください。

「できなくて当たり前」と思いましょう

お母さんは、つい子どもを自分の思う通りに動かせると思いがちです。また自分がこうしようと考えていることは子どもにとってとても大事なことで、どうしても言って聞かせなければと思い込んでしまいます。

しかし、子どもは未熟であるというばかりでなく、本来親とはまったく違う存在です。子どもなりの考えやペースがあります。親だからといって、思い通りに動かしたり変えることはできないのです。

“子どもの個性を尊重する”とよく言いますが、それはつまり、親が自分の期待に添わない子どもの言動に忍耐と我慢をもって接していく、ということだと言えるでしょう。

楽しむことを大事にしましょう

子どもにガミガミ言いながら、眉間に縦じわを寄せている自分を想像してみてください。幸せな気持ちにはなりませんよね。

どう頑張っても完璧な子育てなどできませんし、子どもは自分の思い通りにもならないのですから、少し肩の力を抜いて、もっと子育てをラクに楽しむ方法を考えてみましょう。

親として幼児期のお子さんと今できること、楽しめることに目を向けてみるのです。あなたが楽しそうにしていれば、お子さんにとってもきっと楽しい時間になります。

そういう楽しい時間を共有することで、ガミガミ言っていた時以上に、お子さんは良い方向に変化していき、あなたの言葉をしっかり受け止めるようになるでしょう。ガミガミの悪循環から抜けて、今よりもっとお子さんと笑顔で向き合えるはずです。