子どもを笑わせるコツは? 子どもの「笑いスイッチ」をオンにする方法

原坂一郎
2024.11.01 10:34 2023.03.30 14:49

原坂一郎笑顔の子どもと親

日常の中で子どもを笑わせるチャンスはたくさんあります。親子でいっぱい笑って、楽しい時間を過ごしましょう。

※ 本記事は、『PHPのびのび子育て』2021年1月号特集「親が笑うほど、頭のいい子に育つ!」より、一部を抜粋編集したものです。

原坂一郎 (こどもコンサルタント)
KANSAIこども研究所所長。日本笑い学会理事。関西大学社会学部卒業後、独学で保育士資格を取得。23年間にわたる保育所勤務を経て独立し、現在は保育・子育ての講演、講座・研修を精力的にこなす。著書に、『新装版 子どもが笑う! クラスが笑う! 保育のお笑いネタ50』(黎明書房)など多数。

◆日常の中で!親子で笑顔に!

トランプで遊ぶ親子

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子どもの笑顔って素敵ですよね。「どんなにしんどくても、わが子の笑顔を見ると元気になる」「子どもが笑っているだけで幸せ」と、おっしゃるお母さんも多くおられます。本当に子どもの笑顔は、何度見ても飽きないですよね。

でも、それは子どもも同じ。いえ、むしろ子どものほうこそ「お母さんやお父さんの笑顔をずっと見ていたい」と思っています。親が笑っていると子どもは嬉しく、安心 感を抱きます。逆に、お母さんやお父さんに笑顔がないと不安な気持ちになります。

笑顔には、相手を幸せな気持ちにする素晴らしい力が備わっているのです。ここでは、子どもの”笑いスイッチ”をオンにして、お子さんの笑顔がたくさん見られるようになる”コツ”をお伝えしたいと思います。

◆子どもを笑わせるコツ

笑顔の子

笑顔の記念写真を撮りたくても子どもが全然笑ってくれない、という経験はありませんか? 実は、子どもの”笑いスイッチ”をオンにするのは案外難しく、ちょっとした3つのコツがあるのです。

(1)子どもと「いい関係」を作っておく

楽しいはずのにらめっこや、くすぐりっこも、「知らない人」や「嫌いな人」にされると子どもは笑わず、むしろ嫌がります。

子どもは自分が認めた人とのふれあいの中でしか、笑顔になれないのです。何をしてもすぐに笑顔になってくれる子どもがよくいますが、それは、その子どもに認められている証拠なのです。

(2)子どもが「楽しい」「嬉しい」「面白い」と感じる関わりをする

抱っこされる子ども

小さな子どもは、いわゆる「作り笑い」ができません。心の中に「楽しい」「嬉しい」「面白い」のどれかを感じないと笑えないのです。

でも、子どもはその3つのどれかを感じたときは、すぐに笑顔になります。日常の中で、子どもが「楽しい」「嬉しい」「面白い」を感じる関わりを心がけていると、いつでもどこでもすぐに笑顔が見られますよ。

(3)親自身がよく笑う

「笑顔は伝染する」とよく言われます。大人でも、よく笑う人の周りにはたくさんの笑顔があります。お母さんやお父さんがよく笑う家庭では、必ずと言ってよいほどよく笑う子どもが育ちます。「テレビを見て笑う」「ママ友と話すときに笑う」「子どもに笑顔で話しかける」など、何でもいいので、子どもに笑顔を見せる機会を多く作りましょう。

◆すぐできる!子どもが笑顔になる遊びワザ

ママの話を聞く子

誰がやっても、どこでやっても、子どもがすぐに笑顔になる楽しい遊びを7つ紹介しましょう。ポイントは”ユーモア”。子どもはユーモアのある人、ユーモアのある遊びが大好きです。

(1)ハンカチ落とし

子どもの前で、四つ折りにしたハンカチを頭に乗せ、「こんにちは」と言ってお辞儀をします。落ちたハンカチを見て子どもは大笑いします。

特に1歳から5歳の子どもには大ウケします。小さな子どもは、「落ちないはずのものが落ちる」というのが、とても面白いようです。

(2)魔法の信号機

子どもと出かけ、交差点で信号待ちをしているとき、車道側の信号が黄色になったら、「ママの魔法で信号を青にするよ。3、2、1! 青になれ~」と言いましょう。

すると目の前の信号がパッと青になります。子どもは驚くとともに、思わず笑顔に。

(3)いきなり抱っこ

突然でいいので、「抱っこ~」と言って子どもを抱っこします。たった5秒でも、子 どもは満面の笑みになります。子どもは抱っこをされると無条件に笑顔になるのです。3歳を過ぎる頃から、抱っこをされる機会が減る傾向があるので、特に3~7歳の子どもにおすすめです。

(4)ヘンテコジグソーパズル

英語

子どもがジグソーパズルをしているときに、「ここかな?」と言いながら、わざと違うピースを置きます。

子どもは「違うよ~」と言いながらも大笑いします。「じゃあ、ここかな」と再び違う場所へ。たったそれだけでも、子どもは十分、「お母さんと一緒に遊んでいる」感覚になります。

(5)ゴミ箱玉入れ

紙くずなどのゴミを丸めて捨てるとき、「玉入れですよ~」と言いながら、子どものそばにゴミ箱を差し出します。子どもがポイッと投げた瞬間に、ゴミ箱をさっとよけて「あら、残念」。子どもは「お母さんが動かすからだよ」などと言いながらも大笑いしますよ。

(6)お片づけ競争

子どもがお片づけをしないときなどにお勧めです。「○○ちゃんは3個、ママは10個、さあ、どちらが早いかよ~いドン!」と言って、いきなり始めます。

子どもは勝ちたい一心で素早く片づけ、「勝った~」と大喜びします。負けたお母さんは、いかにも残念そうにするのがポイントです。

(7)「なくなったのはなあに」

笑う女の子

ペン、人形、メガネなど何でもいいので子どもの年齢の数だけ並べて、10秒ほど見せます。

そのあと目をつぶらせて、1つを隠し、「さあ、なくなったものは何でしょう?」。子どもはクイズ的な遊びが大好きで、正解すると必ず笑顔になります。

子どもは親、特にお母さんがそばにいるとよく笑う、というのをご存じですか?

たとえば、お母さんと出かけたときは、待っていたバスが来ただけでも「バスが来た!」と大喜びし、車内で好きなキャラクターのポスターを見つけたなら笑顔で教えてくれます。

なぜ、お母さんと一緒だと、そんなに笑うのでしょう? それはお母さんが大好きだから。子どもは「大好きな人」がそばにいると、何でもないことや当たり前のことがすべて”笑顔のもと”になるのです。

子どもの大好きな人は、お母さんやお父さんです。親は世界で一番、わが子の笑顔を見ることができる人なのです。