賢い頭脳をつくる!4つのマジックワード

石田勝紀(教育評論家)

本当に頭のいい子とは、いったいどんな子なのでしょうか。そして、親の言葉が子どもの成長に大きな影響を及ぼすとしたら、頭のいい子を育てるためには、どんな言葉をかけたらいいのでしょうか。教育評論家の石田勝紀先生にうかがいました。


※本記事は、「PHPのびのび子育て」2019年7月号特集【親の「口ぐせ」で子どもの性格が変わる!】より、一部を抜粋編集したものです。

石田勝紀 (いしだ・かつのり)
教育評論家。20歳で起業し、学習塾を創業。その後、中高一貫私立学校の常務理事に就任し、大規模な経営改革を実行するとともに教師の指導力を高める。講演会や企業での研修会は毎年150回以上にのぼる。教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授。

これまでに、たくさんの子どもたちを指導してきてわかったことの1つに、こういうことがあります。「言葉によって人を伸ばすこともできるし、潰すこともできる」。

言葉のもっている力は、ふつう人が思っている以上に、はるかに強いものであることを教育現場で感じてきました。

最近は、ライトな子育て・教育勉強会「Mama Café」という会をママ対象に全国で毎年100回以上開催していますが、そこで感じることも、この「言葉の力」です。ママが日常で使う子どもへの言葉の種類を少し変えるだけで、子どもが180度変わっていくケースが次々と出ているのです。私はこのように子どもを伸ばす力をもった言葉を「マジックワード(魔法のことば)」と呼んでいます。

ポジティブな言葉を多めに使われて育った子は、思考もポジティブになっていきます。逆にネガティブな言葉を連発されて育つと、思考・行動もネガティブになる可能性があることは誰しも感覚的に理解できるのではないでしょうか。

しかし、それがわかっているにもかかわらず、なぜか子どもに対してネガティブな言葉を口にし続けてしまうことが多いのです。そこで、プラスの効果を引き出すたくさんのマジックワードを公開してきました。

今回は、新時代を生き抜く「頭のいい子」に必要な「賢い頭脳をつくる4つのマジックワード」についてお話ししていきたいと思います。

頭脳にもOSがある!

「頭がいい子」とは、どういう子を言うのでしょうか。いわゆる偏差値が高い子を頭がいいと言うこともあるでしょうが、これまで数千人にのぼる子どもたちを指導してきて、本当に頭がいい子とは単純に勉強ができる子ではなく、「どのような時代でもやっていける思考」をもっている子だと考えるに至りました。

私は、わかりやすくパソコンにたとえてお話をしています。パソコンには、OS(ウィンドウズのようなオペレーションシステム)とソフト(ワード・エクセルなど)があります。スマートフォンもOSとアプリで構成されています。実は人間の頭脳にも、このOSとソフトがあるのです。

人間の場合、英数国理社といった科目を学習するとしたら、それらはソフトにあたります。しかも、このソフトは毎年アップグレードします。中1の数学、中2の数学といった感じです。しかし、脳のOSのバージョンが古いと新しいソフトに対応できず、フリーズを起こすのです。

たとえば小学校までは対応できていたけれど、中学校ではついていけないとか、中学校までは問題なく勉強できたけれど、高校ではフリーズした、といったことがこれに当たります。