子どもの「自分で考える力」の育て方
自分で考え、行動する力が必要になった時代。幼児期にしっかりと「考える力」の土台を育てておきましょう。
※本稿は、「PHPのびのび子育て」2017年7月号の特集は「「考える力」が育つ最高の習慣」より、一部を抜粋編集したものです。
【筆者紹介】親野智可等 (おやの・ちから)
教育評論家。23年間の小学校教師経験を活かした的確でわかりやすいアドバイスには定評がある。全国各地の小・中学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村での教育講演会も人気。著書に、『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』(PHP研究所)など多数。
2つの大切な「考える力」
今の時代は先行きが不透明な激動の時代であり、同時に情報が多すぎる時代でもあります。子どもたちが大人になる頃には、さらにそれが加速するはずです。
そのような時代をたくましく生き抜くためには、自分で考える力が大切です。自分で考える力といってもいろいろな次元がありますが、中でも大切なのは「自分は何をやりたいのかを自分で考える力」と「そのやり方を自分で考える力」の2つです。これが本当の自立であり、言い換えると自己実現力です。
やりたいことをやる楽しさを一番味わえるのが幼児期
この力がないと、変化の激しい時代の中で多すぎる情報に流されて、自分らしい生き方ができなくなってしまいます。現在でも、自分は何をやりたいのかよくわからないという大人がたくさんいるのですから。
そして、この自己実現力の土台は幼児期から育てていく必要があります。なぜなら、幼児期こそが、自分がやりたいと思ったことをどんどんやっていく楽しさを一番よく味わえる時期だからです。
○学習面における「考える力」とは
出された問題について自分で考える力はもちろん大切です。でも、それ以上に大切なのは、「歴史についてもっと学びたい」「将来のために、理科の知識を増やしたい」など、自分は何を学びたいのかを考える力です。
○人間関係における「考える力」とは
相手の気持ちを考えて思いやる力と、自分の気持ちを客観的に認識する力の両方が大切です。相手の気持ちを考えることで思いやりが出てきて、自分の気持ちがわかれば、イライラに飲み込まれなくなります。