高校入試の勉強はいつから始めるべき? 人気講師が重視する「中3の0学期」
國立拓治さんは、中学の勉強には中学特有のコツがあると語ります。
國立さんが生み出した「[くにたて式]中学勉強法」は、「勉強の本質」を確実に定着させたうえで、「正しい勉強法」をしっかり実行していく、中学生のための指導法です。
本稿では、高校受験に向けた準備と、勉強の仕方について解説します。
※本稿は國立拓治著『学年順位アップ率96.6%! [くにたて式]中学勉強法』(大和出版)から一部抜粋・編集したものです。
國立拓治(株式会社さくらクリエイト代表取締役)
1974年愛知県春日井市生まれ。大学卒業後、大手学習塾に勤めた後、2005年に「さくら個別指導学院」を開校。2019年より公益社団法人全国学習塾協会の理事も務める。
「中3の0学期」が高校入試勉強のスタートライン!
まずは、「入試勉強のスタート時期」について考えてみます。入試の勉強は、いつからスタートしていくべきなのか?
答えはズバリ、「中3の0学期」です。
中3の0学期というのは、言い換えれば「中2の3学期」のことです。学校の指導現場で近年、生まれた言葉のようですね。
中2の3学期になったら、中学の学年集会で先生が生徒たちに話すのでしょう。「中3の0学期だと思って、高校入試の準備を始めていこう!」と。
とはいえ、いきなり入試勉強をスタートできるわけではありませんから、そのための準備が必要です。
具体的には、以下の3つです。
●模試を受験する
●仮の志望校を決める
●入試向け教材を準備する
この3つに中2の冬休みから取り組むのです。
最初に取り組むべきは「模試の受験」です。中2の冬休み中に模試を受験しましょう。模試とは、学校内ではなく都道府県内の他の同級生たちと受験をする、入試を想定してつくられたテストで、「テスト結果」とともに「志望校の合格判定」も出ます。
この時期に模試を受験してほしい理由は、自分の都道府県内での実力を確認し、仮の志望校を決定してもらいたいからです。模試で志望校を複数校記入するために、事前に何校か候補を決めておきます。
家族や友だちに相談したり、ネットで検索するなどして、志望する高校のレベルと自分の実力との距離感を、ここで把握してください。模試が返ってくれば「志望校の合格判定」も出ることでしょう。
ここで、明確に数値として「いまの姿」を自分の目で確かめてもらいます。
「あれ、私って、もっと上を目指せそう?」
「あれ、俺って、いまのままではこの高校には届かない?」
模試の結果を見ながら家族でいろいろと話すといいでしょう。
そして、ここで準備の2つ目。
「仮の志望校」を決定してください。
目指す具体的な高校を決め、その高校を目指すうえで必要な内申点や偏差値を確認し、勉強をスタートさせるのです。この模試の結果をもとに、仮で決めた志望校について、あるいは学力を上げる方法についてなどを、家族で検討するといいでしょう。
さらには、気持ちが盛り上がっているであろうこの日に、入試へ向けた1レベル厳しさを上げた家庭内でのルールをも設定してしまいましょう(たとえば、テレビの視聴時間を減らす、スマホの使用時間を減らす、などといったことです)。
あとは、3つ目の「入試向け教材」を準備したら完了です。これについては、次の項目でお伝えしていきます。