他の園と何が違う? モンテッソーリの園が「シーンと静まり返っている」理由
子育て中のパパ・ママへのメッセージ
日実:ありがとうございました。最後になりますが、現在子育て中のパパ・ママへのメッセージをいただけますか?
神成:私がお伝えしたいのは「モンテッソーリ流の教育法が良いからといってそれに固執するのではなく、そこからいいとこどりをしていく」ぐらいのおおらかな気持ちで子育てをしましょう、ということです。
本には「観察→発見→見守る」の3点に気をつけて子育てすると「自分でできる子」が育つということを書きました。ですから、まずは子どもをよく見てください。子どもが何をしているのか知ってください。そして、できるだけ口出しせずに見守ってあげてください。
大人から見れば「なにやってんの」と一見無意味に見えることも、子どもにとっては大切な活動であることがわかれば、子どもに対する見かたも変わってきます。それまで無意味な行動とみなしていた行為も、それが実は意味のある行動であったと気づけば、頭ごなしに「ダメ」と言う回数も減ってくるのではないでしょうか。
無理せず肩の力を抜いて、楽しく子育てというのが一番。「こうなってほしいかな」ぐらいにとどめ、自分の理想を押しつけたり、レールを引きすぎるのはよくないのかなと思います。親ってわがままなもので、生まれたときは「無事に生まれて良かったー」って思っていても、だんだんと成長の遅さとか他の子と比べてできないことばかりに目を向けてしまったり…。
でも比べる必要はないんですよ。「うちの子は○○ができないんだ」と落ち込まないで、焦らず他の良いところを見てあげる。「○○ができるのよ、うちの子」と育てていく方が、絶対に子育ては楽しいと思うんですよね。
モンテッソーリのコツ『知る、見守る、ときどき助ける』を知っているだけで、だいぶ違うかなと思います。ぜひ、本を買って読んでいただけると嬉しいです(笑)。知ることで「この子は、こうだからこうしてるんだー」と分析できるようになるので、それだけでもパパやママの心もちが変わります。
子育ては悩みが尽きないのものですが、楽しい子育てをするためのお役に立てれば良いなと思っています。
『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(日本実業出版社)
生き物は、ある一定の期間、特定の能力を開発するために、環境に対して「敏感」になる時期があります。モンテッソーリ教育では、この時期の親の接し方で子どもの才能や能力が決まる、つまりは将来の可能性も決定づける、と非常に大切な時期と考えています。本書は、そんな大事な「敏感期」について、親がどのように対応すればいいかをビジュアルで教えています。