子どものリビング学習は本当に増えている? 成績上位5%の親に聞いた「子どもの学習場所」
成績が良い子の学習環境や使用している教材はどんなものなのか。また、家庭でのルールはどのように決めているのか? 人気講師の國立拓治さんが、自身の25年超に及ぶ経験と成績上位5%の家庭140名を対象にしたアンケート結果をもとに成績を伸ばすヒントを紹介します。
※本稿は國立拓治著『指導歴25年超&”生の声”で実証! [中学生]成績トップの子の親がしていること』(大和出版)から一部抜粋・編集したものです。
國立拓治(株式会社さくらクリエイト代表取締役)
1974年愛知県春日井市生まれ。大学卒業後、大手学習塾に勤めた後、2005年に「さくら個別指導学院」を開校。2019年より公益社団法人全国学習塾協会の理事も務める。
家庭学習の場所はどこが多い?
まずは「家庭学習の場所」について。結果は、上の円グラフの通りです。時代を感じますね。おそらく20年前であれば中学生は自室という答えが多数を占めていたはずです。ときとともにリビングでの学習割合が増えてきて、半数を超えたという展開ではないかと思います。
ネットで見た他の調査では、中学生のリビング学習の割合はもっと高かったので、やはり成績上位5%の子だからこそ自室での割合が高いのだと想像しています。
今や小学生のうちはリビング学習で、保護者が様子を見ながら学習をするというスタンスが主流となってきていますよね。ここから継続してリビングで学習をするのか、本人の希望で自室学習に切り替えるのか、という選択を迫られるときが来るでしょう。
学習時にテレビを消すなど家族の協力も得られるならば、中学入学後のしばらくは小学生から継続してリビング学習することをお勧めします。
そこから自室で勉強をするという流れになったならば、しっかりと「学習時のルールの設定」をしましょう。スマホやゲームなどの勉強を妨げるものを部屋に入れないことです。
いずれにしても、自室は気が抜けやすいので、勉強への意欲が高まるまでは、やはりお勧めできないですね。
塾や通信教材は利用しているの?
成績上位5%の子たちがどれだけ民間教育を活用しているかを聞いてみました。この結果も興味深いものでした。結果は上図の通りです。
アンケートに参加いただいたのが愛知県を中心とする大都市を擁する都道府県の方が多かったこともあり、「塾も通信教材も利用していない」という家庭はたった1割でした。
「勉強に困っていなければ、原則として塾は必要ない」と私は考えていますが、「勉強に困っていなくても、成績上位の子たちはさらに学力を高めるべく、塾や通信教材をこんなに利用しているんだなぁ」というのが、この結果への私の感想です。
塾を利用している家庭が約75%で4分の3もの割合。そして、通信教材を利用している家庭が約40%にも及んでいます(塾と通信教材を併用している家庭も含まれます)。
お住まいの都道府県にもよりますが、「成績上位5%の子であっても、何かしら民間教育を利用している家庭が9割」というこの結果を覚えておいてください。
ちなみに、通信教材は「国語の成績が4以上で意欲がある」という基準、塾の集団指導塾は「国語の成績が3以上で意欲がある」という基準を満たすことが利用するうえでのお勧め条件です。
その理由は、紙面に書かれた内容や授業形式の一方的なレクチャーは、それをキャッチする能力と意欲が必要になるからです。
この条件に当てはまらないときには、個別指導塾や家庭教師など、先生との直接対話で指導される指導形態をお勧めします。