子どものリビング学習は本当に増えている? 成績上位5%の親に聞いた「子どもの学習場所」
使っている教材は?
今度は勉強をする際に、学校教材以外に利用していた教材について聞いてみました。
結果は、上図の通りです。
まず注目すべきは「学校教材以外は利用していない」を選んだ人たちです。3.5%の割合です。上位5%の人たちのなかの3.5%ですから、単純計算で学校教材だけで学んでいる子は学年に1人いるかいないか程度と言ってもいいかもしれません。
そして、この結果からも「だれもが基本的に何かしら追加で教材を用意している」と解釈してよさそうですね。ぜひ追加の教材を検討して用意していきましょう。
塾に通う子は塾用の教材がありますから、ひとまずその教材を使用していけばいいですね。同じように通信教材を利用している子も、そのまま使用してください。
ちなみに、塾と通信教材を併用している家庭もありますが、その場合は、たとえば「通信教材はテスト前の対策教材としてだけ取り組む」という具合に、取り組む教材を選んで使用しているようです。併用の場合はとくに、届いた教材がもったいないからと、すべて使うことに固執しないことが大切だと思います。
また、とくに気をつけるべきは「市販教材」の購入を検討するときです。 アンケートでは30%の子が利用しているとのことですが、このアンケートの子たちは大半の市販教材を使いこなせるので、とくに心配はしていません。
心配なのは、「成績上位ではない子たちの教材の難易度の選択」です。難しい問題が掲載された教材も多いですが、問題の取捨選択は子ども本人にはできないので、公立高校を目指すならば公立レベルを超えた難関私立高校の入試問題が入っていないものを選ぶといいでしょう。
家庭のルールはどう決めているの?
さて、これも私が興味のあった質問です。家庭のルールはどんな形で決まっていくのかという部分ですね。
親からのトップダウンで「今日からわが家のルールはこうなりました! 守るべし!」と決まっていくのか? はたまた、民主的に子どもと話し合いながらお互いが条件を交渉して決まっていくのか? 結果は上図の通りです。
保護者がルールを決めて子どもに伝えるトップダウンの家庭は、たった6%ほど。対して、約80%もの家庭が本人と保護者が話し合って決めているようです。やはり子ども自身も参加して決めたルールのほうが納得して実行できるでしょうし、 親子で一緒に決めたルールのほうが守られやすいのでしょう。
ここで、中学生の塾生たちと個人的に勉強のルールを決めることも多い私から、「ルールの決め方(交渉の仕方)のコツ」をお伝えしておきます。
まずは目指す目標を一緒に確認し、それを達成するためにこちらが考えた作戦を子どもに伝えます。子どもに意見をもらって内容調整をして決定。子どもの意見でルールが緩くなったら、「もしも目標に近づかないときには、ルールを変えていこう」と先に話しておくことです。本人の意見を尊重しながら、様子を見ていくことがコツです。
アンケート結果で「子ども本人が決める」というのが約15%あるのも興味深いですね。
ただし、もしも子どもがルールを決めたとしても、今書いたように目指す目標に近づけているかどうかで保護者がルールの改定を提案をすることは必須だと思います。