産前産後、適性体重を目指すための「低糖質レシピ」

岡本正子
2023.07.27 17:07 2023.07.07 11:50

子どもを抱っこする母親

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妊娠中や産後は、体重のコントロールが難しいもの。栄養をしっかり取りつつ適性体重を目指すためには、「糖質」との付き合い方が大切です。
管理栄養士の岡本正子さんに、おすすめの「低糖質おかず」のレシピを教えていただきました。

※本稿は岡本正子著『管理栄養士さんが考えた 妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200 』(日東書院本社 )から一部抜粋・編集したものです。

岡本正子(おかもと・まさこ)
管理栄養士・国際薬膳師
天職との出会いとなった矢島助産院にて、妊産婦や母子のため、助産師と二人三脚で、心と体の栄養学を伝える。

「糖質」は必ずしも悪ではない

「糖質オフ」とか「糖質ゼロ」という言葉が健康のように思われて、「糖質」がマイナスイメージに言われることがありますが、それは正しくないと思うんです。
栄養面から「糖質」についてお話しさせてください。

糖質は、炭水化物から食物繊維などを除いたものですが、実際のところ、栄養成分表には、「糖質」という項目はありません。炭水化物は項目が6つに分けられていて、炭水化物量の算定は、可食部から、水分、たんぱく質、脂質および灰分の合計を差し引いたものとして表されています。単純に「糖質オフ」を計算することがむずかしく、まだまだこれから解明されていく栄養分野でもあります。

糖類と糖質は違うのでしょうか?
糖類は、糖質の中に含まれている仲間でもあります。
糖質は分子の小さな糖類(口に入れて甘いもの)、ちょっと分子が大きいオリゴ糖、そして大きな分子の多糖類のでんぷんに分かれます。
それぞれ働きも違いますが、糖質はエネルギーのもとなる栄養素です。

糖質の栄養学的にみた最も重要な役割は、エネルギー源であることです。
脳、神経組織、赤血球等は、ぶどう糖(グルコース)しかエネルギー源として活用できません。
脳のエネルギー消費から算定するとぶどう糖は、1日に75g必要とされます。糖質は、脳の働きを活発にするのにも、とても大事な栄養素なんです。

日本の食事

とはいえ、やはり取りすぎは禁物!

糖類(単糖、二糖類)の過剰摂取は肥満や虫歯の原因となるのでとりすぎはNG。「食事でとるエネルギー量の50~55%を炭水化物からとると、死亡のリスクがもっとも低い」という研究結果も出ています。それらを踏まえて、炭水化物、たんぱく質や脂質をバランスよくとってビタミン、ミネラルもそろえ、バランスよく食べることがやはり元気の秘訣です。
同時に、ストレスなく食事を楽しむことも、大事なことです。

糖質を抑えたおすすめのおかず4

「健康のために栄養満点、でも適正体重を保ちたい!」という多くのママたちの意見から、妊娠中も産後も役立つ「低糖質レシピ」を作りました。
糖質をおさえるコツは、食べる量を減らすより糖質が少なめの食材をシンプルな味付けで料理することです

ステーキサラダ

岡本正子さんの料理

たんぱく質を多く含む牛肉は、糖質ひかえめ。
サラダ仕立てでさっぱり食べられます。
(211 kcal 塩分 1.3g 調理時間 15 分)

【材料( 2人分)】
牛ステーキ肉……1枚(約100g)
新玉ねぎ……1/2個(約80g) 
レタス、トマトなど……適宜
塩こしょう……少々
しょうゆ……小さじ2
酢……少々
オリーブオイル……少々
こしょう……少々

【作り方】
1 玉ねぎはスライス。レタス、トマトは食べやすく切る。
2 牛肉は塩こしょうして、こんがり両面を焼く。熱いうちにしょうゆをからませる。
肉は2㎝くらいのサイコロ型に切り、ボウルに入れて玉ねぎと混ぜる。
3 野菜と2を混ぜて、オリーブオイル、酢、こしょう(分量外)を入れてさっくり混ぜる。
※玉ねぎの辛味が気になるようなら、レンチン30~40秒をするか、または水にさらす

おからのサラダ

岡本正子さんの料理

大豆の自然な甘みときゅうりの歯ざわりがいい。
低糖質&低カロリーの優秀レシピです。
(174 kcal 塩分 1.3g 調理時間 10 分)

【材料(2人分)】
おから……80g
水……大さじ2
ガラスープの素・……小さじ1/3
きゅうり……1/3本 (約50g)
玉ねぎ……1/4個 (約40g)
にんじん……2cm (約20g )
塩……小さじ1/2
酢……小さじ1
マヨネーズ……大さじ3

【作り方】
1 おからは鍋に入れて、水大さ じ2、ガラスープの素、酢を加え て炒め煮する。
2 にんじんはせん切り、玉ねぎ はスライスして、レンチン40秒。
きゅうりはスライスにして、にん じん、玉ねぎと塩もみをして水け を切る。
3 2と1を混ぜて、マヨネーズで あえる。

粉寒天で作るごま豆腐

岡本正子さんの料理

ビタミンEを豊富に含む練りごまを寒天でかためたごま豆腐。
すっきりと食べやすいのが特徴です。
(79 kcal 塩分 1.5g 調理時間 25 分)

【材料(2人分)】
だし……1/2カップ
粉寒天……小袋1/(約41g)
塩……少々
しょうゆ……少々
豆乳……1/2カップ
練りごま(白)……大さじ1
青じそ……2枚
ミニトマト……2個

【作り方】
1 鍋にだしと粉寒天を入れて混ぜ、火にかける。沸騰したら、弱火にする。塩としょうゆ少々を加える。
2 豆乳と練りごまをよく混ぜ、1の鍋に加えて、ひと煮立ちさせ火を止める。
3 流し缶などの型に入れ、冷やし固める。切り分け、青じそ、ミニトマトを添える。

簡単煮卵

岡本正子さんの料理

知っていますか? 
卵1個の糖炭水化物量って0.2グラムぐらいなんです!
食べすぎはいけませんが、上手にとり入れましょう。

【材料(2人分)】
卵……4個
みりん……大さじ3
しょうゆ……大さじ2
かいわれ菜など……少々

【作り方】
1 厚手の鍋に水を2㎝ほどはり、卵4つを入れる。ふたをして火にかけ、沸騰後弱火にして8分加熱する。水にとり、粗熱が取れたら殻をむく。
2 小鍋にみりんを入れて火にかけ、沸騰後30秒加熱してアルコールをとばす。しょうゆを加え、ジッパー式のポリ袋に入れ、卵を漬け込む。
※1時間から半日くらい。 3 半分に切って盛り、青みを添える。

管理栄養士さんが考えた 妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200
管理栄養士さんが考えた 妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200
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