短期間で復学できる子の特徴は…「不登校から回復する」3つの条件

ラン

不登校になっても、短期間で回復できる子と長引いてしまう子がいます。両者にはどのような違いがあるのでしょうか? 我が子が不登校になった経験を持つ、不登校コンサルタントのランさんが、わかりやすく解説します。

※本稿はラン著『子どもが不登校になっちゃった!』(すばる舎)から一部抜粋・編集したものです。

ラン(不登校コンサルタント・不登校人気ブロガー)
アメブロランキング「#不登校」第1位(デイリーランキングで多数獲得)。
28歳で起業。33歳で娘を出産。一家の収入を担うワーキングママ。我が子が不登校になり、親としての数々の失敗を経験する。完全不登校脱出まで約5年かかった娘は、希望の大学に合格し、現在、大学生活を謳歌中。自身の経験を綴ったブログでは、親子の明るい未来と人生の秘訣を伝えている。

短期間で復学する子と、そうでない子との違い

私が当時、不思議に思っていたことがあります。それは、「短期間で復学する子と、ウチの子のように、長期間、学校に行けない子の違いは何なのだろう?」ということでした。

そして今、思うことは、次の3つの条件がそろった時、子どもは短期間で不登校から回復するということです。

1. 不登校の原因がはっきりしている
2. その原因が解決もしくは改善された
3. 心の耐力があった

たとえば、友だちにいじめられて学校に行けなくなった場合、先生と相談して友だちとの問題が解消され、環境が整ったら学校に行ける子どもは、自己肯定感が低くなく心の耐力があったということになります。ですから、問題が解決し、本人の心の傷が癒えたら学校に行けるのです。

しかし、同じように友だちにいじめられ、学校に行けなくなったという場合でも、友だちとの問題が解決しているのに、学校に行けない子どもたちもいます。

それは、自信を失い自己肯定感が低くなっている状態なので、問題が解決しても学校に行けないのです。

そして、さらに学校に行けない自分を責め、動けなくなってしまうので、なかなか学校に戻れません。ですから、不登校の期間が長いからと言って、子どもはさぼっているわけでも、怠けているわけでもないのです。

不登校が短期間で回復する子とそうでない子との違いは、自己肯定感の違い、つまり心の耐力があるかないかだと思います。

不登校の子どもたちが抱える悩み

「子どもがなぜ学校に行けなくなったのか?」を知りたくて「何か学校であったの?」と何度も聞いている親御さんは多いのではないでしょうか。

そして、「学校に行けない理由を言わない」「聞くたびに理由が違う」「学校に行けなくなった問題が解決したのに、学校に行こうとしない」などの子どもの態度に、「何を考えているのか分からない!」と悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。

親としては、「何か問題があるのであれば、その原因を解決して、子どもが学校に行けるようにしてやりたい」と思うのですが、学校に行けない理由を子どもに繰り返し聞くことは、子どもを心理的に追い込んでしまうことになるので、不登校になった当初は特に、そっと見守ってあげましょう。

学校に行けなくなった理由はさまざまですが、不登校の子どもたちが思っていることは共通しています。

では、どのようなことを子どもたちは考えているのでしょうか。

不登校脱出講座の受講生の事例から、共通する子どもたちの悩みを挙げてみたいと思います。

・みんなはイヤと思っていてもやれているのに、自分はできない。
・イヤと思ってやらない自分はダメな人間だ。
・ どうせ自分なんて社会に出てもやっていけない。勉強する意味なんて自分にはない。
・自分は文句ばかり言って何にもできない。
・自分のことが大嫌い! 私は最低な人間だ!!
・自分は生きる価値のない人間だ! 消えてなくなりたい…。
・ お母さんの子どもが自分じゃなかったら良かったのに…。お母さんも本当はそう思っているはず…。
・でも本当は、親に自分の気持ちを分かってもらいたい。
・ 幾度も親に話したけれど伝わらない。ケンカになって、聞きたくもない言葉を親から聞く羽目になってしまう。
・もう、これ以上、傷つきたくない。もう疲れた…。
・自分がこんな人間だと親が知ったら、きっと自分のことを嫌いになる。
・でも、本当は助けて欲しい。お母さんに甘えたいし安心したい。
・でも、どうしたら良いのか分からない…。

このような考えが、子どもたちの頭の中でぐるぐると回っていて、1人で苦しんでいます。そして、「親には絶対に、私の、僕の、気持ちは分からない」と思っているので、親には本音を話さないのです。

「学校に行かなければならない」という現実や、親の「学校に行って欲しい」という気持ちは子どもも十分に分かっています。だからこそ、子どもたちは、自分を否定し、親に対して罪悪感を感じているのです。