赤ちゃんが寝返らない、歩かない、しゃべらない…不安な親へ「小児科医と先輩ママのアドバイス」

三宅芙由,あい,あこ,さゆ,のま,まみ,ゆままま
2023.08.21 15:32 2023.07.25 06:00

プールで遊ぶ赤ちゃん

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自分の子とよその子を比べて、発達の差を感じて不安になってしまう方は少なくありません。他の子と比べてはいけないと言われても、視界に入ったら気になってしまうもの。「平均は気にしなくていい」と語る専門家である小児科医の見解、そして先輩ママの体験談を本記事にて紹介します。

※本稿は『先輩ワーママと考える 仕事と育児のちょうどいいをみつける本』(あい,あこ,さゆ,のま,まみ [著]、ハガツサ[刊])から一部抜粋・編集したものです。

発達のスピードはひとそれぞれ、正解はない

抱っこされる子

【お悩みのポイント】

・公園や児童館で同じような月齢の子を見ると、わが子より発達が早いような!?

・スマホで「〇カ月 成長」を調べて、一喜一憂したり母子手帳の成長過程も毎月チェックしたり調べるほどに不安にしかならず、できないことに目が向きがち!

【お悩みを因数分解】

・初対面など関係の浅いママとの会話は発育&発達関連になりやすいので、「できた/できない」の比較になりがちだけど発達スピードは人それぞれ。

・この時期のできる・できないは成長に大きな影響がないことがほとんど。

・「正解」はないので、定期健診をしっかり受け、問題を指摘されないようであれば一喜一憂しないのが○。

悩んでいる人に伝えたい専門家のお話(三宅芙由さん:小児科専門医・産業衛生専門医)

子どもの健やかな成長に直接影響する、発達・発育はママにとって大きな悩み事の1つ。寝返りやハイハイなど、できることが増えていく過程を見るのはとてもうれしい反面、なかなかできるようにならない、平均より遅いと不安になるものです。

赤ちゃんの発達や発育についての向き合い方を専門家に聞いてみました。

Q「寝返り」「ハイハイ」…みんなより遅くても大丈夫?

赤ちゃんと夫婦

人間の脳が発達するスピードは、あらかじめある程度プログラムされています。赤ちゃ
んはお母さんのおなかの中から、外の世界へ出るという急激な変化に適応して、視覚、聴覚、嗅覚さらに触覚、味覚などの感受性を豊かにし、心も身体も発達していきます。

育児書やインターネット上の情報を見ると、典型的な発達パターンが記してありますが、それ以外にもはるかにたくさんのパターンが存在しています。そしてそのスピードは、
一人ひとり異なります。

どんな子どもも「脳の発達」が「運動の発達」につながり、伴って「神経の発達」があることによって、頭に近い所から徐々に自分の意思で動かせるようになっていきます。

「運動の発達」の順番

1 「首」 目で物を追うことから始まり、顔を向けられるようになります。これが、「首すわり」です。

2 「手」 触りたいものに手を伸ばし始め、腰を使って「寝返り」ができるようになります。

3 「足」 足を動かせるようになり、つたい歩きから、だんだんと上手に歩くようになります。

平均は気にし過ぎなくていい

運動の発達月齢の目安

グラフの横棒の半分にあたる部分が「平均」といわれている月齢です。ただし、半分ということは、50%の子ができており、50%の子がまだできていないという状態です。

そのため、平均とされる時期にできていなくても、心配は不要です。当然のことながら、早くできる子もいれば、ゆっくり発達する子もいます。「運動の発達」には、月齢の幅があるということを知っておくことが大切です

乳幼児健診は適切な月齢に受診しましょう

乳幼児健診は小児科医らによる発達のチェックが行われる重要なタイミングです。

日ごろ気になっていることを質問してみる機会としてもおすすめ。乳幼児健診の実施時期はお住まいの自治体によって異なりますが、「1歳 6 カ月」と「3 歳」の健診は法的に義務付けられているため、すべての自治体で実施されています。

そのほかにも自治体から案内が届く月齢の乳幼児健診は必ず受けるようにしましょう。「1 カ月」「3 ~ 4カ月」健診は多くの自治体で実施されており、さらに「6 ~7 カ月」「9 ~10カ月」健診を実施している自治体もあります。

こういった時期は、それぞれの発達のチェックポイントとしても大切な時期として位置付けられています。