悪意なくウザイ!と言ってしまう子どもたち…SNSがいじめに与える影響
SNS言葉と闇バイト
小川:『ルポ 誰が国語力を殺すのか』の中に、闇バイトで特殊詐欺に加担してしまった高校一年生の少女の例がありました。
「お金ない。良い仕事ないかな」とSNSに書き込み、見知らぬ男性から1回25万円の仕事があるというコメントがつき、すぐに飛びついたと。SNSでの短文コミュニケーションが中心の生活をしていると、「おかしいな」と思えなくなるのでしょうか。
石井:普通はおかしいと気づくだろうと言いたくなりますよね。でも、それはぼくたちがSNS以外の言語空間を知っているからです。背景にあるものを想像できるし、「これをするとどうなるか?」と考えることもできます。
小川:最近の強盗事件などにしても、あまりにも短絡的で浅はかに感じるのですが、SNSの言語空間が母語になってしまっているのかもしれませんね。親との会話もあまりなく、学校が終わったらすぐに帰宅してSNSばかり見ている子であれば、リスクもわからずに、「1回25万円の仕事」「やります」「いつ、どこに行け」「了解」といった単純なやりとりが成立してしまうのも想像できます。
周りの大人たちは、ある程度複雑で豊かな言語空間を作ってあげる意識が必要でしょうね。
関連書籍
ルポ 誰が国語力を殺すのか(文芸春秋)
『ごんぎつね』の読めない小学生、反省文の書けない高校生…子供たちの言葉を奪う社会の病理と国語力再生の最前線を描く渾身のルポ!「文春オンライン」200万PV突破の衝撃ルポ「熊本県インスタいじめ自殺事件」を含む、現代のリアルと再生へノンフィクション!
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マンガで笑って、言葉の達人! 超こども言いかえ図鑑(Gakken)
気がつくと、毎日「ヤバイ」「マジ」って言葉ばかり使っていない!?なんでも「ヤバイ」なんていっていたら、それこそ「ヤバイ」状況!日本語はひとつの意味をたくさんの表現であらわすことができるんです。学校行事をつうじて日本語のゆたかな表現を学んじゃおう!