大声で子どもを叱り、物にもあたる…イライラ育児の母を号泣させた「長男の告白」

野村恵里

コレを守れば怒ってOK

私は子育てにおいて、怒ることなしに子どもを育てることなんて、ほぼできないと思っています。怒るときには怒ってOKです。物の善悪を教えることは必要だからです。

アンガーマネジメントでは、3つのルールを守りながら上手に怒ることを勧めています。

《怒るときの3つのルール》

①人を傷つけない:暴力的な行為、発言など、人の体や心を傷つけてしまうような怒り方はしない

②自分を傷つけない:自分自身を否定したり、体や心を自分で傷つけてしまうような怒りの表現をしない

③物を壊さない:物を投げたり、大きな音を出したりするような乱暴な扱い方を示威するような怒りの表現をしない

私はこのルールを知ったとき、「あー、スポーツと同じだな」と思いました。

スポーツは、どの競技にもそれぞれルールが決められていて、それを守りながらみんながスポーツマン精神に則り闘いますよね。自分の感情をコントロールし、相手を傷つけたり、物を壊したりするような行為があった場合にはイエローカードで警告され、行動がエスカレートすればレッドカードで退場させられてしまいます。

ルールを守って戦うからこそ、それが学びや成長につながるのですね。「怒るときに、ルールを守れば怒ってもいいんだ!」と、当時の私は妙に納得したことを覚えています。

「イライラしたら深呼吸」のモードにチェンジ!

先ほどお伝えしたように、私はしょっちゅう怒りすぎていました。子どもを傷つけ、自分も傷つき、ドアにあたり、食器にあたり…、3つのルールを守って怒るなんて程遠い子育てをしていたのです。だからこそ、藁をつかむ思いでアンガーマネジメントにすがりました。

遅々とした進みではありましたが、学んだことを一つ一つ子育てに取り入れることで、子どもを怒鳴る回数が20回から15回、10回、5回と減っていき、同時に、激高しやすい心を静める回数も増えていったのです。

正直に言うと、超短気な私にとって、アンガーマネジメントを実践するのはとても根気がいりました。

いわば、「イライラしたら怒鳴る!」というモードから、「イライラしたら深呼吸する」というモードに転換するわけです。とはいえ、慣れてくれば、こっちのほうが断然ラクです。「このモードのほうが、ラクだな!」と感じられたら、しめたものです。 

「イライラしたら深呼吸する」に慣れるまで、私は1〜2ヶ月かかりましたが、人によってその期間の長さはさまざまだと思います。

でも、これを過ぎれば、子どもの態度が見違えます。断然子育てしやすくなりますよ。ぜひこの感覚を読者の皆さんに、味わってほしいです!

関連書籍


とっさの怒りに負けない!子育て(すばる舎)
なかなか怒りを抑えられないタイプのお母さんでも実行できる現実的な方法を紹介。併せてお子さん自身の癇癪が減っていく接し方も併せて解説しています! 保育士歴20年子育て歴18年の「子育てのプロ」が4コマ漫画を使いながら、わかりやすく紹介していきます。