ちょっとしたコツで簡単に書ける! 「作文が苦手な子」のための読書感想文の書き方

樋口裕一

自分なりの考えの見つけ方、書き方

読書感想文のもっとも大事な部分は、【3】ジャンプです。 そこには、 次のようなことを書くといいでしょう。 ただし、 これらをすべて書くのではなく、このうちの一つを選んで、 できるだけくわしく書きます。

・その本を読んで考えたことを書きます。たとえば、読む前と読んだ後の考えの変化を書くとわかりやすくなります。 「この本を読む前は、友情についてこう考えていたが、 この本を読んで、このように考えるようになった」などです。

 

・「なぜ、登場人物はそんなことをしたんだろう」 「なぜ、その時代はみんながそんなふうなことをしていたんだろう」など、疑問に思ったことを書きます。「坊っちゃん」を例にとると、坊っちゃんはなぜそんなことをしたのでしょう。赤シャツはどうしてそうしたのでしょう。 「坊っちゃん」の時代でなくて、今同じようなことが起こったら、どうなるでしょう。

 

・「もし自分が登場人物だったらこうするのに」という思いを書きます。ただ、それだけで終わらずに、なぜ登場人物はそうしなかったのか、自分とどう違うのかも考えてみるといいでしょう

 

・本の中でおもしろかったところを説明します。どこが、なぜおもしろかったのかも加えましょう。

 

・本のテーマは何なのかも考えてみましょう。その本で作者は何を言いたかったのでしょう。作家というのは、世間一般の人からすると、信じられないようなことについて真剣になやんで、それをテーマにして本を書いていることがあります。そのようなテーマについて考えてみるのです。これを考えるためには、本の「あとがき」を読んだり、図書館やインターネットで調べたりする必要があると思います。そのテーマに納得するか、疑問に思うかを書きます。

 

関連書籍

『10分でおもしろい夏目漱石』(世界文化社)

近代日本を代表する作家・夏目漱石の名作を7品収録。
子ども向けの定番「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」、「こころ」「夢十夜」など、1話10分で読めるよう、マンガと文章で再編しました。

 

▲マンガ「坊ちゃん」より

大人になってからもくり返し読みたい、名作との出会いをとびきりおもしろく!
各作品のコラムでは、もっと深く読みたくなるその魅力を伝えます。

巻末には、自分の気持ちや考えを表現できる「読書感想文の書き方アドバイス」付き。